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Recovery Managerを使ったバックアップ方法Oracleバックアップ/リカバリ講座(4)(3/3 ページ)

本記事では、Oracleデータベースのバックアップ/リストア/リカバリについて、そのアーキテクチャ、代表的なバックアップ手法、論理/物理バックアップ、RMANといった全般的な内容を解説していく。(編集部)

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Oracle Data Guardを使った2次的なバックアップ方法

 Oracle Data Guardとは、本番稼働用(以下、プライマリデータベース)と待機用(以下、スタンバイデータベース)の2つのデータベースで構成され、プライマリデータベースで発生した変更は、REDOログを使用してスタンバイデータベースに反映されます。

 反映方法には2種類があり、リカバリと同じようにREDOログを適用するフィジカル・スタンバイとREDOログの中からSQLを抽出して適用するロジカル・スタンバイがあります。Oracle Data Guardでは、これまで説明したMViewやトランスポータブル表領域機能とは違い、データベース全体が対象となります。

図7 Oracle Data Guardの構成図
図7 Oracle Data Guardの構成図

 Oracle Data Guardの構成では、プライマリデータベースで障害が発生した場合、スタンバイデータベースにフェイルオーバーさせることで、スタンバイデータベース側で業務を再開することが可能です。また、Oracle Data Guardの設定によっては、スタンバイデータベースに同期でトランザクションを反映することもできるので、データを消失することなく業務を再開することも可能です。通常のバックアップからリストア、リカバリを行い、業務を再開する場合に比べると、すでにデータベースは構築済みですので、直近のREDOログ情報をリカバリするのみです。このため、業務再開までの時間(ダウンタイム)を大幅に短縮することが可能です。

 Oracle Data Guardは運用時にREDOログ情報のみを転送しますので、データベース全体を転送することに比べ、ネットワーク負荷を低く保つことができます。これを利用し、災害対策として遠隔地のサーバにスタンバイデータベースを構築し、使用することが多い機能です。バックアップとして使用したい場合、隣接するサーバ間で利用することもできます。

TOPIC:Oracle Data Guardの自動フェイルオーバー

Oracle Data Guardではフェイルオーバーする場合には手動で行いますが、Oracle 10g R2では自動でフェイルオーバーが可能になりました。プライマリデータベースを常に監視する端末(オブザーバー)が障害を検知し、スタンバイデータベースをプライマリに切り替えて業務を再開します。

Oracle Data Guardの自動フェイルオーバーの概要図

各バックアップ手法のメリット・デメリット

 前回と今回にわたりさまざまなバックアップ方法に関して説明しました。それぞれの方法のメリットとデメリットを理解し、運用要件に合ったバックアップ方法を選択する必要があります。以下に、各バックアップ方法のメリット・デメリットについて表にまとめます。

バックアップ方式 直前までのデータ復旧 特定表のデータ復旧 クローズ状態でのバックアップ オープン状態でのバックアップ 増分バックアップ DB単位でのバックアップ 表領域単位でのバックアップ データファイル単位でのバックアップ 表単位でのバックアップ
Export 不可 不可 不可 不可
DataPump 不可 不可 不可 不可
一貫性バックアップ(OSコマンド) (※1) (※2) 不可 不可 不可 不可 不可
非一貫性バックアップ(OSコマンド) (※2) 不可 不可 不可
一貫性バックアップ(RMAN) (※1) (※2) 不可 不可 不可 不可 不可
非一貫性バックアップ(RMAN) (※2) 不可 不可
表 各バックアップ手法のメリット・デメリット
  ※1 アーカイブモードの場合にのみ可能
  ※2 異なる領域、もしくは異なるマシン上にリストア/リカバリ後、エクスポートすることで可能

 前回と今回で、Oracleの主なバックアップ方法の概略を説明しました。次回以降、これまでに紹介した各方法について、より詳細な説明を行います。次回はそれらの中から論理バックアップについて紹介します。エクスポート/インポート、Oracle Data Pumpといったユーティリティの主な機能やオプション、処理時間やダンプファイルサイズの見積もり方法、パフォーマンスの比較などについて説明します。(次回に続く)

著者紹介

荒井 智也

株式会社アゲハ



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