前回に引き続き、開発プロセスをEclipseベースで定義するためのプラグインEclipse Process Framework(以後、EPF)を紹介します。前回はOpenUp/Basicのブラウジングとパブリッシングの方法を紹介しました。
後半となる今回は、OpenUp/Basicを使わずに「日本語」で開発プロセスを一から作成して、さらにそれを「テーラリング」する方法を紹介します。皆さんがいままで蓄積してきたノウハウを開発プロセスとして体系化してみましょう。
前回に引き続き、今回もEPF Composerの本稿執筆時点の最新版(1.0.2 Release)を利用します。以後は、EPF Composerがインストールされていることを前提に説明します。
開発プロセスを一から作成するための準備
これから本稿で作成する開発プロセスは、図1に示すような設計、実装、試験という3つの工程で構成される簡易な開発プロセスです。
参考
本稿で作成した開発プロセスのメソッド・ライブラリー(私のメソッドライブラリ.zip)およびパブリッシング結果(publish.zip)をダウンロードできます。ただし、この開発プロセスはEPFの機能を紹介するために作成したサンプルなので、実際の開発では活用できません。あらかじめご了承ください。
EPFの日本語化
作業を開始する前に日本語化対応させるための言語パックをインストールします。EPFのダウンロードサイトから言語パック(NLpack_epf-composer-1.0.1.zip)をダウンロードします。
言語パックを解凍すると、epf-composerというフォルダの中にfeaturesとpluginsというサブフォルダがあります。それらをEPF Composerのインストール先に上書きします。そのときに、フォルダの上書きを確認する意味のダイアログが表示されますが、[すべて上書き]を選択してください。以上で、日本語化は完了です。
初期設定
次に[ウィンドウ]→[設定]を選択して、プロセス・エディターの設定を行います。[ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー]については設定項目が多過ぎるので、図1のように項目を限定して、OKを押します。
開発プロセスの構成要素を定義/作成
EPFでは、開発プロセスの構成要素を図3のように階層的に定義します。難解に見えるかもしれませんが、この後、個々の要素について順を追って説明するので、大丈夫です。
開発プロセスの最上位、メソッド・ライブラリーの作成
階層構造の最上位に位置するのが、メソッド・ライブラリーです。開発プロセスの構成要素間の参照関係はすべてメソッド・ライブラリーの中に閉じていなければならず、ほかのメソッド・ライブラリーの要素を参照できません。今回は、OpenUp/Basicを使わずに、一から開発プロセスを定義するので、メソッド・ライブラリーも新たに作ることにします。
EPF Composerを起動したら、[パースペクティブ]を[オーサリング]にしてください。新しいメソッド・ライブラリーを作成するには、[ファイル]→[新規]→[メソッド・ライブラリー]を選択します。メソッド・ライブラリーの[名前][説明][ディレクトリー]を指定し、[終了]を押せば作成できます。
再利用やテーラリングの単位、メソッド・プラグインの作成
メソッド・プラグインは、開発プロセスを再利用したり、テーラリングするための単位で最低1つは必要です。ここでは、「標準開発プロセス(standard)」という名前のメソッド・プラグインを作成します。
新しいメソッド・プラグインを作成するには、[ファイル]→[新規]→[メソッド・プラグイン]を選択し、メソッド・プラグインの[名前]に「standard」を指定し、[終了]を押します。メソッド・プラグインの名称は、半角英数にしておいてください。全角を指定すると、パブリッシング(公開)する際にエラーとなる場合があります。
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