さて、2007年もあとわずか! 皆さんはどんな1年だったのでしょうか? 今年最後の「いまさら聞けない」は「ウィジェット」もしくは「ガジェット」を取り上げます。
ウィジェット/ガジェットはWindows VistaやMac OS X 10.4以降には標準で搭載されている機能です。最近よく聞くようになったウィジェット/ガジェットはそもそも何なのか? といった基本的なことから、どのような仕組みで動いているか、なぜ近年人気が出てきたのか? といったところまで解説します。
実は以前この連載で取り上げたJavaScriptやAjaxと深く結び付いているウィジェット/ガジェット…… どんな関係なのか、早速見てみましょう。
そもそも、ウィジェット/ガジェットって何なの?
ウィジェット/ガジェットには、主に【1】Webページに手軽に張り付けるもの(主に、「Webパーツ」「ブログパーツ」と呼ばれるものなど)や【2】PCのデスクトップアプリケーションとして動くものがあります。
■WebページやPCのデスクトップ以外にも
さらに、【3】Webブラウザのツールバーから呼び出すもの(参考「IE用『Google Toolbar 5』β版リリース、どこでも同じ設定が可能に」)、【4】携帯電話の待ち受け画面上で動くもの(参考「KDDIがau新端末8機種を発表、携帯電話向けガジェットも開始」「“携帯電話ウィジェット”がもたらす波及効果とは?」)、【5】ノートPCのフタにある補助的な液晶デバイスなど、PC以外のデバイスに組み込んで表示させるもの(参考「CESで見かけた『Windows Vista世代』のノートPC」「新しい市場を開拓するWindows SideShowの可能性〜Windows SideShow ガジェットコンテスト〜」)などがあります。
■デスクトップ・ウィジェット/ガジェットの主な用途
本稿では、この中からPCのデスクトップアプリケーションとして動作するタイプのウィジェット/ガジェットを取り上げることにします。このタイプの主な用途としては、ネットから情報を得て天気予報や株価を表示させたり、PCのHDDやメモリの使用量を表示させたりするユーティリティがあります。
■さまざまな企業・団体が提供
また、このウィジェット/ガジェットはWindows VistaやMac OS X 10.4以降だけでなく、Yahoo!やGoogleをはじめ、Opera、Adobe(AIRアプリケーション)などの企業・団体もサービスを提供しています。詳しくは後述します。
「ウィ」と「ガ」で何が違うの?
ウィジェット/ガジェットの仕組みや人気の秘密を説明する前に、そもそもウィジェットやガジェットとはどういう意味なのか見てみましょう。
「ウィジェット」は欧文表記だと「widget」とつづり、三省堂「EXCEED 英和辞典」によると「(名前が分からない[思い出せない])何とかいう部品[装置](ある会社の代表的と考えられる)製品」と書かれています。
「ガジェット(gadget)」も辞書で調べると「(機械の)付属品 ちょっとした仕掛け 工夫」(三省堂「EXCEED 英和辞典」より)と説明されています。
ウィジェットは「製品」、ガジェット「付属品」という意味です。両者とも「ちょっとしたもの」的なニュアンスがあり、小物的なアプリケーションを指すのに使われています。ウィジェット/ガジェットと呼び名は違いますが、基本的な機能は同じです(以降、ウィジェット/ガジェットのことをまとめて「ウィジェット」と表記します)。
余談になりますがアプリケーションとは別に、PDAやデジタルグッズのことを「ガジェット」と呼ぶことも多々あります。コンピュータ機器や電子製品の情報をまとめている有名なニュースサイト「Engadget Japanese」があります。このgadgetは電子機器を指します。
ウィジェットを使うメリットは?
さて、続々といろいろなウィジェットがリリースされていますが、使うといったいどんな利点があるのでしょうか? これだけ出ているということは、利用すればきっといいことがあるに違いありません!
■【1】最新の情報がチェックできる
読者の皆さんはPCから天気予報を確認したいときはどのようにしていますでしょうか? おそらく、Webブラウザを立ち上げて天気予報のサイトにアクセスをして確認していると思います。
ほかにもニュースをチェックしたり、Twitterで書き込みをしたり、Webメールを確認したいときなど、「Webブラウザを立ち上げて」→「目的のサイトにアクセスをする」→「情報を確認」という操作をしなければなりません。たった3つのステップですが1日何回も同じ作業をするのは効率的ではありません。
ウィジェットをデスクトップに表示しておくと、ウィジェットが天気予報の情報やWebメールの最新情報をチェックしてくれるので、わざわざWebブラウザで確認をしなくても大丈夫です。
次のページでは、引き続きウィジェットを使うメリットを解説し、その仕組みや流行している理由について分析します。
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