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Cool Stackで手軽に「SAMP」OpenSolarisで始めるブログサーバ構築(2)(2/3 ページ)

この連載では、サーバOSとして十数年発展してきた「Solaris」をオープンソース化した「OpenSolaris」を紹介し、ブログサーバ「Roller」と組み合わせて運用していくうえで有用なさまざまな知識を紹介していきます。(編集部)

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インストール済みのオープンソースソフトウェア

 OpenSolaris(SXDE)を基盤に構築されるブログサーバを構成するソフトウェアスタックとしては、下記のような組み合わせが考えられるでしょう。

ソフトウェア
OS Solaris Express Developer Edition 9/07
アプリケーションサーバ Tomcat 5.5.23(Cool Stack 1.2)
データベースサーバ MySQL 5.0.45(Cool Stack 1.2)
ブログアプリケーション Apache Roller 4.0
(http://roller.apache.org/download.cgi)
Java JDK 1.5.12
(SXDE 9/07にはデフォルトでインストールされている)
JDBC Driver MySQL Connector/J 5.1.5
(http://www.mysql.com/products/connector/j/)

 ブログサーバ構築に必要なソフトウェアについては、Apache Rollerのインストールガイドに示されています。これに沿って、Solaris 10またはOpenSolarisにデフォルトでインストールされているブログサーバに必要なソフトウェアを示します(表1)。

    Solaris 10 8/07 SXDE 9/07 SXDE 1/08
Webサーバ Apache 1.3.36 1.3.39 1.3.39
  Apache2 2.0.58 2.2.3 2.2.6
アプリケーションサーバ Tomcat 4.0.5 5.5.17 5.5.25
  Glassfish インストール
必要
インストール
必要
Glassfish V2
データベースサーバ MySQL 4 4.0.24 4.0.24 4.0.24
  MySQL 5 インストール
必要
インストール
必要
5.0.45
  PostgreSQL
8.1
8.1.9 8.1.10 8.1.10
  PostgreSQL
8.2
8.2.4 8.2.4 8.2.4
  Java 1.4.2.13
1.5.0.12
1.5.0.12
1.6.0.01
1.5.0.13
1.6.03
JDBCドライバ MySQL インストール
必要
インストール
必要
インストール
必要
  PostgreSQL インストール
済み
インストール
済み
インストール
済み
ブログアプリケーション Roller 4.0 インストール
必要
インストール
必要
インストール
必要
表1 Solarisで用意されているブログアプリケーションのためのオープンソースソフトウェア

 利用するオープンソースソフトウェアによって、必要になるパッケージは異なります。また、記事執筆時点ではSXDEの最新バージョンは9/07なのですが、記事が公開されるころには、SXDE 1/08が公開されていることと思います。

Solarisに最適化された「Cool Stack」

 Cool Stackとは、Solaris向けにパフォーマンスが最適化されたオープンソースパッケージアプリケーションの集合です。

 もともとCool Stackは、OpenSPARCプロジェクトによって提供されたUltraSPARC T1ベースのシステム上で動作可能なパッケージ集合でした。しかしながら、x64上でも同様なパッケージの集合が欲しいという要望を受けて、Cool Stack 1.2からx64上でも最適化パッケージが提供されるようになりました。

 このパッケージを利用することで、オプションと格闘しなくとも、手軽にSolaris 10およびOpenSolaris上のシステムパフォーマンスを最適化できます。Cool Stackの特徴は以下のとおりです。

  • Sun Studio 12により、Solarisプラットフォームへのパフォーマンスが最適化されたオプションでビルドされている
  • 最新のオープンソースソフトウェアがパッケージ化されている
  • Solaris 10より導入されたサービス管理機能「SMF」(Service Management Facility)が追加されている

 オープンソースソフトウェアになじみのある方ならご存じかと思いますが、OSにデフォルトでインストールされていないソフトウェアを導入するには、コンパイラを用いたビルド作業が入ります。

 これに対しCool Stackでは、コンパイラの最適化オプションなどを考えたりする必要が一切ありません。なぜならCool Stackは、統合開発ツールのSun StudioによってあらかじめSolarisプラットフォーム向けに最適化されており、パッケージを追加するだけですぐに使えるからです。

CoolStackのダウンロードと導入

 ここで、Cool Stackの導入手順を簡単に説明したいと思います。

 Cool Stackは公式サイト(http://cooltools.sunsource.net/coolstack/)からダウンロードできます。ここから最新のCool Stackパッケージをダウンロードし、アプリケーションに必要なパッケージを選択し、インストールするだけです。ただし、「CSKruntime」は必須のパッケージですので、必ずインストールしてください。

 インストール方法は以下のとおりです。なお、SXDE 9/07を利用してパッケージを導入する場合は、pkgadd(1M)を利用する前に、必ずpkgtrans(1)でファイルシステムフォーマットのパッケージに展開してください。

*CSKruntimeのインストール
#pkgtrans CSKruntime_1.2_x86.pkg /var/tmp
#pkgadd -d /var/tmp/CSKruntime
* CSKamp(Apache MySQL PHP)のインストール
#pkgtrans /var/tmp/CSKamp_1.2_x86.pkg /var/tmp
#pkgadd -d /var/tmp/CSKapache2
#pkgadd -d /var/tmp/CSKmysql32
#pkgadd -d /var/tmp/CSKphp5
* CSKtomcatのインストール
#pkgtrans /var/tmp/CSKtomat.pkg /var/tmp
#pkgadd -d /var/tmp/CSKtomcat

 この手順で、最新のApache/MySQL/PHPの各パッケージを「CSKamp」という1つのパッケージとして導入することができます。ちなみに、最近人気のRubyも「CSKruby」としてCool Stackパッケージに含まれています。

 これにより、手軽にSAMP(Solaris/Apache/MySQL/PHP)環境を構築できることが分かると思います。インストールされるディレクトリも、/opt/coolstack以下にパッケージが集められる仕組みになっているため、簡単に試すことが可能です。

 より詳細な説明は、サン社員のブログ(http://blogs.sun.com/funasaki/entry/samp_coolstack)やCool Stackサイトを参照してください。

サービス管理機能「SMF」で簡素な管理を

 Cool Stackには、Solaris 10から新しく導入された機能の1つであるサービス管理機能「SMF(Service Management Facility)」が備わっています。

 SMFという機能はご存じでしょうか? LinuxやSolaris 10以前のOSを使った経験があれば、「rcスクリプト」になじみがあると思います。

 SMFはrcスクリプトによる管理機能を残したまま、サービス管理を簡素化し、管理者に一貫した管理機能、管理方法を提供するものです。具体的には、管理方法を統一し、サービス異常が発生した場合、その検出およびサービス観測などを行ってくれるフレームワークのことをいいます。

 SMFの利点は、以下のとおりです。

  • サービス管理の簡素化
  • 異常なサービスの再起動
  • サービス構成の持続性
  • サービスの依存関係
  • デバッグが容易
  • サーバのブート/シャットダウンプロセスが高速

 このSMFのフレームワークを利用して、ブログサーバを管理することが可能です。

 Cool Stack 1.2(Tomcat、MySQL)も、このSMFに対応しています。また、Solaris 10およびOpenSolarisにおいてデフォルトで提供されている「PostgreSQL」も、このSMFに対応しています。具体的にどう構成されているかを見ていきましょう。

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▼最終回 Linux起動の仕組みを理解しよう[rcスクリプト編]
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