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HTMLを知らない人でもWebサイトが作れるCMSとは?どこまでできる? 無料ツールでWebサイト作成(7)(2/3 ページ)

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あらためて、「CMS」とはいったい何なんだ……?

 「コンテンツ管理システム」という言葉だけで捕らえると、Webサイトを作成して公開可能なDreamweaverGoLiveExpression WebAptanaなどのWebオーサリングツールはCMSの1種ととらえられなくもない。

編集部注DreamweaverExpression Webについて詳しく知りたい読者は、連載「Webオーサリングツールを使ってみよう」を、Aptanaについては、本連載第1回の「AptanaでWebページ作成はここまでできる!」を、それぞれご参照ください。

 テンプレートなどを作ってしまえばCMS的な管理もできるのだが、これらプロ向けのツールはHTMLやJavaScriptなどのコーディングに重点を置いているため、CMSに分類されることはない。「CMS」といったときには、「Web制作を業務としない一般的なユーザーであっても簡単にページを作成・更新し、ページの公開・非公開の管理を容易に行うことができるツール」と考えるべきである。

CMSは無償から高いものまで、ピンキリ

 価格的にも、前述したとおり無償で提供されているものから数1000ページ単位の管理までを自在にこなせる高価格帯のものまで、さまざまなタイプのものが存在している。一般的には高価格帯のものの方が機能も多く自由度が高いといえるが、無償のものではまったく力不足かというとそのようなこともない。

 CMSで管理したい情報量/ページ数、ページ構成・サイト構成という面で求められる自由度、編集の行いやすさやデザインの変更の行いやすさ、フォームやコンテンツの時限管理などクライアントから求められている機能を満たしているか、などの観点でどのCMSを使うのかを決めるとよいだろう。

CMSにはコンテンツの管理情報を保存しておく仕組みも必要

 さて、CMSがコンテンツを管理するための仕組みだということは分かってきたと思うが、CMSでコンテンツを管理するためには「表示するコンテンツ自体を保存しておく仕組み」と「コンテンツの管理情報を保存しておく仕組み」が必要である。

 先ほど紹介したContribute CS3のように、コンテンツは普通のWebサイトと同様のHTMLで管理し、コンテンツの管理情報はテキストベースのファイルとフォルダで管理するものもあるが、多くのCMSではコンテンツを管理しWebブラウザに管理画面を表示させるなどの処理を担うアプリケーションと情報を保存するためのDBが必要になることが多い。

 そのため、CMSを使用する前に「この環境でこのCMSを使用できるのか」という確認が必要である。

主な無償CMSを簡単にイロイロと紹介しよう

 続いて、Webブラウザで更新を行うことができるCMSを紹介していこう。前述のとおり、CMSによって動作環境が異なるため、いくつかのCMSを紹介することとするが、今回も本連載の性格上、「無償」であることを選定の条件としている(下記リストはインデックスになっています)。有償のアプリケーションは、機会があったら紹介したい。

日本で一番広まりつつあるCMS/ブログ「Movable Type」

 国内では「CMS/ブログといったらMT」といわれるほど広まりつつある「Movable Type(MT)」。企業サイトなどでよく使われているのは、「日本語への対応状況」や「Web制作会社/プログラマによりオリジナル機能の追加が行いやすい」、「実績」などの理由からと考えられるが、基本的に商用などで使用する場合には有償となる。

図3 Movable Typeの日本語ページ
図3 Movable Typeの日本語ページ

 しかし、「個人名義でダウンロードされ、個人所有のサーバやレンタルサーバで個人的な日記などを書くためのライセンス」であれば無償で使用することが可能だ。そのために紹介させていただいたが、この使用条件を満たすとほとんどブログと変わらないのも事実である。

 基本的には有償のソリューションのため、多機能でテンプレートのカスタマイズはもちろん機能拡張なども容易に行うことが可能。カスタマイズに関してもさまざまな情報が出ているので「個人サイトで日記などを公開する」のであれば選択肢として考えてもよいだろう。

Windows系サーバのCMSといえばこれ「DotNetNuke」

 Windows系のサーバにインストールするのであれば、「DotNetNuke」が最有力候補となる。DotNetNukeはOS(正確には.NET Frameworkのバージョン)により3.x系と4.x系が準備されている。基本は英語版なのだが日本語化も進んでおり、機能の多くは日本語となっている(日本ユーザーサイトもある)。

図4 DotNetNukeの管理画面
図4 DotNetNukeの管理画面

 両バージョンに共通している最大の特徴は、「編集機能がワードライク」な点だ。編集する側のWebブラウザは原則Internet Explorerとなるが、編集後のサイトは基本的にWebブラウザフリーのため、サーバ/クライアント側ともにWindows環境で用意するのであれば最適なソリューションといえる。ネックとなるのは、Windows系のサーバをホスティングしているサービスの数が一般的に少ないことだろう。

図5 文言を編集する画面の入力エリアはMicrosoft Officeライクなもの(画面を切り替え、ソースコードの編集も可能)
図5 文言を編集する画面の入力エリアはMicrosoft Officeライクなもの(画面を切り替え、ソースコードの編集も可能)

 カスタマイズや機能追加も行いやすく、プロスポーツ選手のサイトなど実績も出始めているが、良くも悪くも「Windows」なのがDotNetNukeだといえる。インターネット上のサイトとして使用することはもちろんだが、Windows環境が定着しているイントラ向けのCMSとして構築するのに特に向いているのではないかと考えている。

編集部注DotNetNukeについて詳しく知りたい読者は、記事「Windowsでイントラ・ブログを構築する(後編)」をご参照ください。

日本のコミュニティ活動が盛んなCMS「XOOPS/XOOPS Cube」

 XOOPSはeXtensible Object Oriented Portal System の略で、PHPMySQLによるCMSだ。ポータルサイトコミュニティサイト)を構築するためのXOOPS、XOOPSから派生したXOOPS Cubeがあり、マルチバイト(日本語)対応が比較的行われている。後ほど紹介するWordPress同様、機能を追加するためのモジュールが多く提供されており、自作モジュールの開発も可能だ。

 Webサイト構築ツールとして比較的早くから注目を集めたXOOPSだが、思ったよりも広まっていないと感じてしまうのは、本家XOOPSと独自バージョンのXOOPS Cubeが存在することと無関係ではないだろう。

 日本語のコミュニティもあるので、無償のCMSによるWebサイト構築という意味では本命のツールだと考えている。

図6 XOOPS Cubeの日本語サイト
図6 XOOPS Cubeの日本語サイト

編集部注XOOPSのコミュニティなどについて詳しく知りたい読者は、記事「勉強会発のXOOPSディストリビュータ」や「出合いの連鎖が新たなキャリアの道をつくる」をご参照ください。

 次ページでも、さらに特徴的なWebブラウザタイプのCMSをいくつか紹介しよう。また、数あるCMSからどういったものを選定するべきかのポイントも最後にお教えしよう。

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