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MS、2泊3日で高専生にヒューマンスキルを叩き込む!MSと高専の共同教育プロジェクト

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 マイクロソフトと国立高等専門学校機構は8月7日、IT分野における共同教育の取り組みについて発表した。

 マイクロソフトと国立高等専門学校機構は、世界に通用するITリーダーの育成を目的として、来週8月11〜13日の3日間、ITリーダー育成キャンプという合宿を実施する。全国の国立高等専門学校(以下、高専)から選抜された21人が参加する。ただ、合宿で訓練するのはテクニカルスキルではない。普段から実践的・専門的な技能教育を受けている高専生に対し、本来なら企業に就職をしてから学ぶであろう、ヒューマンスキルを教育する。カリキュラムは以下のとおりだ。

  • ロジカルコミュニケーション
  • ロジカルシンキング
  • プレゼンテーション
  • プロジェクトマネジメント
  • リーダーシップ

マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム アカデミックテクノロジー推進部 高度IT人材育成担当 マネージャ 田中達彦氏

 共同教育プロジェクトはこのキャンプを皮切りに、来年3月まで約1年間続く。2泊3日の合宿でヒューマンスキルを学んだ高専生は、合宿の最終日にアプリケーション制作課題を与えられる。各高専に戻ってから、プロジェクトチームを立ち上げ、合宿で学んだ知識を元にプロジェクトマネージャとしてプロジェクトを運営していく。マイクロソフト マネージャ 田中達彦氏は「恐らくいままで、チームを組んで何かを作ったことはあっても、プロジェクトをマネジメントするという意識でプロジェクトを進めていったことはないと思う。これは本来企業に入って学ぶことだが、いち早く実践できる場を作りたい」と述べる。途中数回のレポート提出を経て、3月までに課題を仕上げる。国立高等専門学校機構 理事 小山田公彦氏によると、最終的なアウトプットとして、高専プロコンやImagine Cup2009、科学オリンピックへのエントリーも視野に入れているとのこと。


国立高等専門学校機構 理事 小山田公彦氏

 合宿でヒューマンスキルを教育する理由について、マイクロソフト 本部長 大場章弘氏は、米国のマイクロソフト本社に勤務した自身の経験を踏まえ次のように述べた。「マイクロソフト本社で世界各国から集まった大勢の人が活躍する姿を見てきたが、ディベート、リーダーシップ、自分の意見を述べる、他人を巻き込んで行動する、エンジニアがビジネスの視点でものを考える人材がすごく多いことが分かった。IT業界で活躍するベースとして技術力があることはすごく大切だが、グローバルに活躍していくにはプラスアルファの部分(ヒューマンスキル)が非常に大切。だからこの分野を選んだ」。


マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム 統括本部長 大場章弘

 教育方針は、高専の先生とマイクロソフトとで話し合って決めるほか、マイクロソフトがマネージャ以上の役職の人を集め、山奥で密かに行っている3泊4日の研修の内容も参考にするとのこと。

 これまでマイクロソフトは、世界の学生を対象にした技術コンテストであるImagine Cupや、自習用ソフトを学生へ無料で提供するDreamSparkなど、教育分野への支援を行ってきた。高専とは、全国高専キャラバンと題した全国の高専を訪問して最新テクノロジに関する講演や、高専の教育用PCにWindows Compute Cluster Server 2003を搭載する高専連携グリッドプログラムでも付き合いがある。

 マイクロソフトは人材育成支援のほかに、地域産業の活性化支援にも関心がある。大場氏は「IT企業は首都圏に集中しているが、地方にもソフトハウスなどが存在する。そこに対しより協力なサポートをしたい」と述べ、マイクロソフト製品対応支援プログラムのイノベート オンを例に挙げて意気込みを語った。「高専は全国各地にある。しかも県庁所在地にはない」(小山田氏)。大場氏は「高専との連携で、全国のITリーダー育成に貢献したい」と語った。

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