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「ただ休むだけ」は逆効果? 400人調査で分かったITエンジニアの「燃え尽き予防策」「長時間労働」「納期のプレッシャー」が主な引き金に

キッカケクリエイションは燃え尽き症候群の手前を経験したことがあるITエンジニア400人を対象とした調査結果を発表した。

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 KIKKAKE ITRENDを運営するキッカケクリエイションは2026年2月10日、ITエンジニアで過去2年以内に燃え尽き症候群の手前(燃え尽きそうになった状態)を経験し、現在は回復している400人を対象に実施した「ITエンジニアの燃え尽き手前からの回復実態調査」の結果を発表した。

 調査によると、燃え尽き手前の状態だった時の業務環境や状況について、「長時間労働や納期のプレッシャーがあった」との回答が44.5%で最多となった。次いで「技術的に難しいプロジェクトが続いた」が40.0%、「人間関係のストレスがあった」が38.3%と続いた。

燃え尽き手前の状態だった時の業務環境(提供:キッカケクリエイション)
燃え尽き手前の状態だった時の業務環境(提供:キッカケクリエイション)

「ただ休むだけ」は逆効果? 「燃え尽き」を防ぐ予防策とは

 燃え尽き手前の状態になった具体的なきっかけやエピソードを自由回答で求めたところ、「合理的な提案が理解されない状態が続いたこと」や「過重労働」といった回答が挙げられた。

 その他のエピソードとしては、「期限が厳しい上に業務量が多く、本番作業期間も限られておりミスできない状況に追い込まれていた」や、「顧客との折衝に予定以上の時間を割いてしまい、作業の進捗(しんちょく)が遅れてしまった」といった業務進行上の問題に関する声が挙がった。また「管理職に全て押し付ける、何もしない何もできない幹部」や「仕事の成果が評価されなかった」など、組織体制や評価に関する指摘も見られた。

 燃え尽き手前の状態から回復したきっかけについては、「内的要因がきっかけ(考え方を変えた、新しいことを始めたなど)」が38.5%、「外的要因がきっかけ(異動、休職、周囲のサポートなど)」が36.5%という結果となった。「外的要因と内的要因の両方」は12.8%だった。

燃え尽き手前の状態から回復したきっかけ(提供:キッカケクリエイション)
燃え尽き手前の状態から回復したきっかけ(提供:キッカケクリエイション)

 回復につながった具体的な行動として、外的要因に関連するものでは「考えない時間を作る」や「家族の存在や励まし」が挙げられた。他には「他部署の支援」「友達に相談に乗ってもらっていた」「休暇として行った旅行での心休まる体験」などの回答があった。

 一方、自ら意識的に取り組んだ内的要因による回復方法としては、「よく寝るようにした」や「資格取得」といった回答が得られた。その他、「筋トレを含め、続けられる運動をした」「温泉に行く」「ビジネスと割り切ること」といった行動も挙げられている。

 回復にかかった期間については「1〜3カ月」と「4〜6カ月」がいずれも28.5%で同率となり、全体の半数以上が回復までに1カ月から半年程度の期間を要していることが分かった。「1カ月未満」は14.3%、「7カ月〜1年」は11.5%だった。

 現在、燃え尽き手前の状態にならないために意識していることとしては、「タスクの優先順位付け」が34.5%で最も多く、「1on1での率直なコミュニケーション」が33.3%でこれに続いた。以下、「定期的な休暇取得」(32.3%)、「断る勇気を持つ」(31.3%)、「プライベートの充実」(27.0%)となっている。

燃え尽き手前の状態にならないために意識していること(提供:キッカケクリエイション)
燃え尽き手前の状態にならないために意識していること(提供:キッカケクリエイション)

 一方で、回復する過程で「効果がなかった」または「逆効果だった」と感じた行動としては、「産業医によるカウンセリング」「薬の服用」などが挙げられている。その他にも「経験者からのアドバイス」「関係者と対話をすること」「大変だなというねぎらいの言葉」などが効果を感じられなかった例として挙げられた他、「寝っぱなしで何もしなかったこと」「十分な休息だけでは燃え尽き症候群は解消できないと実感した」といった声もあった。

 「もし過去の自分にアドバイスできるとしたら何を伝えたいか」という問いに対しては、「早めに休もうと伝えたい」「その会社は早く辞めた方がいい」といった回答が集まった。「無理をするな」「手を抜いて構わない」「自分で抱え込まず仕事から離れた友人に相談するなり、環境を変えてみる」といった、早期の休息や環境変化を促す内容が目立った。

 キッカケクリエイションは調査結果について、仕事に真剣に向き合うが故に限界まで頑張ってしまうITエンジニアに対し、「個人の自助努力だけでなく、組織的な支援体制の構築が必要だ」と結論付けている。

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