人材総合サービスのインテリジェンスとPMOサービスを提供するマネジメントソリューションズは8月8日、PMOの人材育成とPMOアウトソーシングサービスの提供で、業務提携をすると発表した。人材サービス企業とPMOのコンサルティング専門企業が業務提携し、PMOサービスを提供するのは業界初の試みになる。
PMO(Project Management Office)は、大規模な組織において、プロジェクトマネジメント(PM)の能力と品質の向上、個々のプロジェクトの円滑な実施の支援を目的とした専門部署のこと。
インテリジェンスは、PMO専門のエンジニアをマネジメントソリューションズに特定派遣する。そのうえでマネジメントソリューションズは、50〜100人規模以上の大規模なシステム開発プロジェクトを行う企業やシステムインテグレータを対象にPMOサービスの提供をする。
PMO専門のエンジニアは、まずはインテリジェンスが現在雇用しているエンジニア約1400人の中から希望や適正をみて選出し、育成する。PMO業務未経験のITエンジニアに対し、マネジメントソリューションズが持つ2週間の教育プログラムを受講させ、同社の専門コンサルタントの下、実際のプロジェクトでOJTを行う。プロジェクトは「プロジェクトアドミニストレーション」→「プロジェクトコントロール」→「プロジェクトマネジメントコンサルティング」と段階的にレベルアップし、徐々にスキルアップを図れるようにスキルレベルを定義している。3年後までに100人の稼動を目指す。
今回マネジメントソリューションズが提供するPMOサービスは、上記の教育プログラムで育成されたPMO人材と同社の専門スタッフでPMOチームを組み、顧客のニーズに即してPMO業務を請け負い契約で受託する。サービス開始当初は、PMO業務の中でも庶務・事務局機能を中心とした「プロジェクトアドミニストレーション」領域でサービス展開を行い、「プロジェクトコントロール」「プロジェクトマネジメントコンサルティング」へは順次拡大していく予定とのこと。
「2009年4月から情報システム開発案件にも適用される工事進行基準の会計基準によって、これまでより一層精緻なプロジェクトマネジメントが必要とされる。そんな中、IT業界の慢性的な人材不足から、PMOの外部委託への需要拡大が見込まれる」と、両者は予測している。
また両社は、「昨今開発案件の品質向上が注目を集め、PMOサービスの重要性が認識されつつある一方で、PMOに関する専門知識を持つ人材が業界内で圧倒的に不足している。専門家育成のための体系だった教育システムが整備されていない」と指摘している。
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