VMotionによる仮想マシンの無停止移行:VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編(13)(2/4 ページ)
連載「VMware Infrastructure 3徹底入門」では、VMware Infrastructure 3のコンセプトやアーキテクチャといった、いわば理論的な部分を紹介した。新連載の「VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編」では、実際の設計から導入、運用までを紹介する。今回は稼働中の仮想マシンを、サービスの停止なしに別の物理サーバへ移動できる機能「VMotion」について解説する
VMotionの実行条件と構成(続き)
4. 移行元、移行先の両VMware ESX間においてCPUの互換性があること
VMotionはゲストOSやその上で動作しているアプリケーションさえも停止することなく物理マシン間を移行させる機能であるため、移行元ならびに移行先となる物理マシンのCPUは詳細なレベルで一致していなければならない。詳細は以下のKnowledge Baseにて公開されている。
なお、VMotionにおけるCPUの互換性を緩和する機能としてEnhanced VMotion Compatibility (以下EVCと略記)という機能が提供されている。EVCについては後述する。
5. 移行対象となる仮想マシンが利用しているネットワークへの到達性が、移行先VMware ESXにおいても確保されていること。またそのネットワークは同一のネットワークラベル名にて構成されていること
例えばwin02という仮想マシンをesx01からesx02に移行する場合を考えてみよう。win02には仮想NICが1つ構成されており、接続先はWebServiceというネットワークラベル名のポートグループに接続されているものとする。この場合、移行先となるesx02においてもWebServiceというラベル名の仮想マシン用ポートグループが構成済みであり、物理的にも同一ネットワークに接続されていなければならない。
6. 移行対象となる仮想マシンの構成が移行元VMware ESXに依存する構成になっていないこと
例えば仮想マシンのハードウェアとしてCD/DVD-ROMドライブを構成しており、データストアISOファイルとしてVMware ESXのローカルディスク上にあるISOファイルを接続しているような場合は、その仮想マシンは移行元VMware ESXに依存する構成ということになるためVMotionを実行することができない。
VI ClientからVMotionを実行する操作を行った際にも上記はチェックされるため、もし非互換な構成であった場合はその旨メッセージが表示される。
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