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第2回 スキャフォールディング機能で軽々DB連携アプリケーション連載:ASP.NET MVC入門(1/5 ページ)

ASP.NET MVCの持つ自動生成機能を使って、データベース連携アプリを作成する。ASP.NET MVCの素晴らしさを実感できる機能だ。

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連載:ASP.NET MVC入門
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「連載:ASP.NET MVC入門」のインデックス

連載目次

 本連載では、MVCモデルをベースとした.NET Frameworkの新たなアプリケーション・フレームワーク「ASP.NET MVC」を基礎から解説している。前回は、Model−View−Controllerのうち、主に「View」「Controller」について解説した。今回は残る1つである「Model」を中心に、データベース連携アプリケーションを作成してみよう。

 また今回は、ASP.NET MVCでデータベース連携の機能を実装する場合には欠かせない「スキャフォールディング(Scaffolding)機能」についても解説する。「Scaffolding」とは「足場」という意味で、データベースの基本操作(登録、参照、更新など)に必要な機能の骨組みを自動生成する機能のことをいう。

 スキャフォールディング機能を利用することで、定型的なコードを一から記述することなく、どれだけ簡単にアプリケーションを開発できるのかを、本稿で実感いただきたい。

 まずは、今回ASP.NET MVCで作成するサンプルWebアプリケーションの全画面を以下に示す。


図1 本稿で作成するサンプル(書籍情報メンテ画面)

 なお、以降のサンプルを動作させるには、あらかじめデータベース上に以下の表1のようなBookテーブル(書籍情報)を用意しておく必要がある。Bookテーブルには、アプリケーションから参照/更新できるように適当なデータを何件か登録しておこう。

フィールド名 データ型 概要
isbn CHAR(17) ISBNコード(主キー)
title VARCHAR(100) 書名
price SMALLINT 価格
publish VARCHAR(25) 出版社名
published DATE 刊行日
表1 Bookテーブルのフィールド・レイアウト

 表1のBookテーブルを定義し、何件かのサンプル・データを入力したデータベース・ファイル(MyMvc.mdf)は以下のリンクからダウンロードできる。

 それではさっそく、具体的な手順を追っていく。

1. Entity Dataモデルを作成する

 Model−View−Controllerモデルにおいて、Modelとはアプリケーションで扱うデータを表すとともに、データを操作するための手続き(ビジネス・ロジック)を担う要素だ。

 ASP.NET MVCでは、データ・モデルとして.NET Framework標準のADO.NET Entity FrameworkやLINQ to SQLはもちろん、NHibernateのような外部ライブラリを採用することもできるが、本稿ではADO.NET Entity Frameworkが提供する「Entity Dataモデル」を利用するものとする。

 Entity Dataモデルを作成するには、「ASP.NET MVC Web Application」プロジェクトを作成した後、ソリューション・エクスプローラから「Models」フォルダを右クリックし、表示されたコンテキスト・メニューから[新しい項目の追加]を選択すればよい。


図2 [新しい項目の追加]ダイアログ

 [新しい項目の追加]ダイアログが表示されるので、テンプレートでは[ADO.NET Entity Data Model]を選択し、ファイル名は「MyMvc.edmx」と入力して、[追加]ボタンをクリックする。[Entity Data Modelウィザード]ダイアログが起動するので、以下の表2の要領で必要な情報を入力しておこう。

 Entity Data Modelウィザードについては、別記事「.NETの新データアクセス・テクノロジADO.NET Entity Framework」の2ページ目が詳しいので、こちらも併せて参照いただくとよいだろう。

設定項目 設定/選択値
モデルに含めるコンテンツ データベースから生成
アプリケーションがデータベースへの接続に使用するデータ接続 MyMvc.mdf
エンティティ接続設定の名前 MyMvcEntities(デフォルト)
モデルに含めるデータベースオブジェクト [テーブル]−[Book]にチェック
モデル名前空間 MyMvcModel
表2 [Entity Data Modelウィザード]ダイアログの設定項目

 ウィザードが終了したときに、データベースの内容に基づいて、以下のようなADO.NETエンティティ・デザイナが表示されていれば、正しくデータ・モデルは作成できている。


図3 ADO.NETエンティティ・デザイナ
データベースに含まれるBookテーブルが、データ・モデルに含まれている。

 なお、Entity Dataモデルを作成した後は、必ずメニューバーの[ビルド]−[ソリューションのビルド]でソリューションをビルドしておく必要がある。さもないと、後からビュー(=Webページを記述した.aspxファイルのスクリプト)を生成する際などにデータ・モデルが認識されないので、注意されたい。

2. コントローラ・クラスを作成する

 次に、前回同様にModel−View−ControllerモデルのControllerを表すコントローラ・クラスを作成する。

 コントローラ・クラスを作成するには、ソリューション・エクスプローラで「/Controllers」フォルダを右クリックし、表示されたコンテキスト・メニューから[追加]−[Controller]を選択する。これにより[Add Controller]ダイアログが表示されるところまでは前回と同じである。

 今回は、コントローラ・クラスの名前として「BookController」を入力するだけでなく、ダイアログ下部の[Add action methods for Create, Update, and Details scenarios]にチェックを入れておこう。


図4 [Add Controller]ダイアログ
[Add action methods for Create, Update, and Details scenarios]にチェックを入れておく。

 [Add action methods for Create, Update, and Details scenarios]は、登録/更新/一覧/詳細機能のひな型を自動生成するかどうかを決めるための項目だ。この項目にチェックを入れておくことで、必要なアクション・メソッドの骨組みを自動的に作成できる。

 [Add]ボタンをクリックすると、以下のようなコードが生成されていることが確認できるはずだ。

using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Web;
using System.Web.Mvc;
using System.Web.Mvc.Ajax;

namespace MvcAppCs.Controllers {
  public class BookController : Controller {

    //
    // GET: /Book/
    public ActionResult Index() {
      return View();
    }

    //
    // GET: /Book/Details/5
    public ActionResult Details(int id) {
      return View();
    }

    //
    // GET: /Book/Create
    public ActionResult Create() {
      return View();
    }

    //
    // POST: /Book/Create
    [AcceptVerbs(HttpVerbs.Post)]
    public ActionResult Create(FormCollection collection) {
      try {
        // TODO: Add insert logic here
        return RedirectToAction("Index");
      } catch {
        return View();
      }
    }

    //
    // GET: /Book/Edit/5
    public ActionResult Edit(int id) {
        return View();
    }

    //
    // POST: /Book/Edit/5
    [AcceptVerbs(HttpVerbs.Post)]
    public ActionResult Edit(int id, FormCollection collection) {
      try {
          // TODO: Add update logic here
          return RedirectToAction("Index");
      } catch {
        return View();
      }
    }
  }
}

Public Class BookController
  Inherits System.Web.Mvc.Controller

  '
  ' GET: /Book/
  Function Index() As ActionResult
    Return View()
  End Function

  '
  ' GET: /Book/Details/5

  Function Details(ByVal id As Integer) As ActionResult
    Return View()
  End Function

  '
  ' GET: /Book/Create

  Function Create() As ActionResult
    Return View()
  End Function

  '
  ' POST: /Book/Create

  <AcceptVerbs(HttpVerbs.Post)> _
  Function Create(ByVal collection As FormCollection) As ActionResult
    Try
      ' TODO: Add insert logic here
      Return RedirectToAction("Index")
    Catch
      Return View()
    End Try
  End Function

  '
  ' GET: /Book/Edit/5

  Function Edit(ByVal id As Integer) As ActionResult
    Return View()
  End Function

  '
  ' POST: /Book/Edit/5

  <AcceptVerbs(HttpVerbs.Post)> _
  Function Edit(ByVal id As Integer, ByVal collection As FormCollection) As ActionResult
    Try
      ' TODO: Add update logic here
      Return RedirectToAction("Index")
    Catch
      Return View()
    End Try
  End Function
End Class

リスト1 コード自動生成機能によって生成されたコントローラ・クラス(上:BookController.cs、下:BookController.vb)

 Indexアクションはデフォルトのページ(ここでは一覧画面)、Detailsアクションは詳細画面、Createアクションは新規登録画面、そして、Editアクションは編集画面に、それぞれ対応するアクション・メソッドである。

 以下では、これらのアクション・メソッドに対して必要なコードを追加していく。

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