CMS選定の9のポイントと、いま話題の3つのCMS:独断と偏見のCMS比較(3)(2/3 ページ)
CMSは「数多くの製品があり、とてもじゃないが選べない」のが普通だ。選定のポイントと代表的なSOY CMS、Drupal、Concrete5を紹介しよう
国産で低価格なサポートもある「SOY CMS」
「SOY CMS」は国産でシンプルかつ低価格なCMSとして人気を博しています。WYSIWYGの記事エディタを搭載し、HTMLをほぼそのまま書くような感覚で利用できます。
また、記事には「ラベル」を付けることができ、この「ラベル」を手掛かりとして検索や管理をしやすくしています。自分で管理するとかなり面倒なパンくずリストを自動的に作成するプラグインや、コメントスパムに対応したプラグインなどがあります。
SOY CMSは小回りが効くので、手軽に導入したい場合は、今回紹介する3製品の中では一番便利で使いやすいと思います。バージョンアップも細めに行われているところに好感が持てます。
□ SOY CMSの特徴
- シンプルで使やすい
- ラベル機能があるので記事の整理がしやすい
- オープンソースライセンスと有償ライセンスの2つが選択可能
- SaaS版もあって導入しやすい
□ 得意と思われるシチュエーション
- 小規模な企業や店舗などのWebサイト
- イベントやサークルなどのWebサイト
□ 苦手と思われるシチュエーション
- 中小企業や大企業など、大量の商品情報を管理したり、検索させたりするWebサイト
- 大量に画像を扱うWebサイト
機能テンコ盛りの会員制サイト向け万能CMS「Drupal」
「Drupal(ドルーパル)」は、海外で人気の高機能CMSです。かといって使い方が分からないほど混乱することもなく、会員制のWebサイトを制作できます。ただし、Drupalが主目的としているのは会員制のサイト作成なので、誰にでも見られる情報を提供するサイトを作る場合は多少のカスタマイズが必要です。
それでもあえてDrupalを選ぶ魅力は、何といってもその豊富なプラグイン。ざっと見回しただけで1万近いプラグインがあります。このプラグインの豊富さはどれだけDrupalが海外で支持されているかの目安となります。
しかし、Drupalの場合、あまりにプラグインが多過ぎることが逆に欠点でもあります。何もかもできるようになっているため、反対に何か簡単なことをやろうとするだけでもかなり勉強しなくてはならないということです。その割に、最初の管理画面はそれほど使い勝手が良いわけでもなく、熟練した管理者がいるサイト向けといえます。
DrupalはFirefox(Mozilla財団)の公式サイトやNASAのサイトなどで利用されているほど英語圏ではメジャーなCMSです。その分、情報も英語でしか得られないことが多いので、これを使いこなすには大量の英語の文書と格闘することは覚悟してください。ただし、有志によって日本語化されていたり、書籍もあるので基本的な機能を使う分にはそんなに困らないかもしれません。
デモサイトはありませんが、Drupalの公式サイトからユーザー登録をして管理画面を試してみることができます。しかし実際にやってみると、かなり難解なので、自分の手持ちのPCにインストールして試してみることをお勧めします。
□ Drupalの特徴
- 豊富なプラグイン
- 世界中の開発者が支持している実績
- 頻繁にバージョンアップされるアクティブさ
- プラグイン次第でブログから本格的なEコマースサイトまで作れてしまうという柔軟性
- 世界中に豊富に存在する運用ノウハウ
- 完全なオープンソースで提供されている
□ 得意と思われるシチュエーション
- 社内に技術者がいて、高度なカスタマイズをするようなWebサイト
- Eコマースから製品カタログから、ユーザーサポートまですべて一括して行うような大規模なWebサイト
□ 苦手と思われるシチュエーション
- 主に告知だけを目的とした簡易的な情報発信サイト
- 技術者の居ない小規模な組織が少人数で管理するようなWebサイト
次ページでは、引き続き「Concrete5」を紹介し、CMS選定の10個目のポイントといえることをお話します。
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