標準アクセスリストについて学習する:ネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(27)(1/2 ページ)
本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。2007年12月に改訂された新試験(640-802J)に対応しています。
今回は、主にパケットフィルタリングで使用する標準アクセスリストについて説明します。
ルータの主要な機能はルーティングですが、そのほかにもパケットフィルタリングの機能があります。パケットフィルタリングとは、ルータを通過させてもよいパケットと、よくないパケットを振り分ける機能です。パケットフィルタリングでは、どのようなパケットなら通過させてもよいか、よくないかを定義するために、アクセスリストという条件文を定義します。アクセスリストの概要や動作、設定方法を学習しましょう。
ネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座 各回のインデックス
- 第1回 新CCNA試験について知ろう
- 第2回 ネットワークのABC、OSI参照モデルとプロトコル
- 第3回 データはどうやって伝わるの?
- 第4回 LANの基礎を丸かじり
- 第5回 データ同士の通せんぼ――コリジョンてなぁに?
- 第6回 TCP/IPを制するものはネットワークを制す
- 第7回 TCPで、確実&効率よくデータを送受信しよう
- 第8回 サブネットマスクの計算をマスターする
- 第9回 どこまでがネットワーク部? クラスフルとクラスレス
- 第10回 シスコ ソフトウェアの基礎を学習する
- 第11回 Cisco IOSモードの設定
- 第12回 Cisco IOSのモードの設定情報と識別情報
- 第13回 インターフェイスの設定とルータの初期化
- 第14回 ネイバーの検出とCDPによるデバイス管理
- 第15回 Telnetを使用したリモートデバイスの情報収集
- 第16回 SDMによるルータの設定と管理
- 第17回 MACアドレスとフレームで、スイッチの基本動作を学ぶ
- 第18回 スパニングツリープロトコル、動作の仕組み
- 第19回 スイッチにVLANを設定する
- 第20回 VLAN操作を容易にするVTPの機能
- 第21回 ポートセキュリティの設定コマンドと確認
- 第22回 ルータの経路学習とスタティックルートの設定
- 第23回 RIPによるルーティングテーブルの作成
- 第24回 リンクステートルーティング(OSPF)の設定と確認
- 第25回 高速なコンバージェンスを実現するEIGRPを学習する
- 第26回 可変長サブネットマスク(VLSM)と経路集約
- 第27回 標準アクセスリストについて学習する
- 第28回 拡張アクセスリストについて学習する
- 第29回 無線LANの基礎について学習する
- 第30回 無線LANセキュリティの必要性と対策
- 第31回 NATとPATの設定方法を学ぶ
- 第32回 IPv4の枯渇に備えよ――IPv6の特徴と必要性
- 第33回 VPNの基礎を学習する
- 第34回 WANカプセル化プロトコルについて学習する
- 第35回 フレームリレーの基本を学習する
アクセスリストの概要と特徴
例えば図1で、192.168.2.0/24のセグメントのホストC、Dは、何らかの理由により、サーバEへのアクセスをしてはならない、というポリシーがあったとします。192.168.1.0/24のセグメントのホストA、Bは、サーバEへのアクセスを許可されているとしましょう。このような場合に、アクセスリストを設定したパケットフィルタリングを使用します。
アクセスリストはルータに事前に定義しておきます。アクセスリストとは、複数の条件文が集まったリストです。アクセスリストには、条件文を複数定義することができます。アクセスリストは番号や名前で区別されます。
図1の例では、ルータに以下のようなアクセスリストを定義します。
アクセスリスト
1行目 192.168.2.0/24のセグメントからサーバEへのアクセス 拒否 2行目 192.168.1.0/24のセグメントからサーバEへのアクセス 許可
アクセスリストの具体的な記述方法については、後ほど説明します。
アクセスリストには、標準アクセスリストと拡張アクセスリストの2種類があります。
標準アクセスリストは、送信元のIPアドレスだけをチェックして、パケット通過の許可・拒否を決定します。拡張アクセスリストは、送信元/あて先のIPアドレスやポート番号などをチェックして、パケット通過の許可・拒否を決定します。
今回は、標準アクセスリストを学習します。
標準アクセスリストや拡張アクセスリストを番号で区別する場合は、以下の番号を使用します。
- 標準アクセスリスト……1〜99、1300〜1999
- 拡張アクセスリスト……100〜199、2000〜2699
アクセスリストがフィルタリングの対象にするパケットは、ルータを通過するパケットです。ルータから発信するパケットはフィルタリングの対象になりませんので注意してください。
確認問題1
問題
標準アクセスリストに設定することができるアクセスリスト番号はどれですか? 1つ選択してください。
a.1
b.199
c.2000
d.100
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