「スクラムやるならRedmineとALMinium!」〜新キャラ登場! 無表情なあの人が笑う日は来るのか?:かんばん!〜もし女子高生がRedmineでスクラム開発をしたら(3)(2/3 ページ)
本連載は、ちょっととぼけた女子高生の姉妹が今注目のアジャイル開発手法であるスクラムとプロジェクト管理ソフトの「Redmine」を使って、システム開発をするというフィクションです。
Redmineの赤本「ALMinium」で楽々セットアップ!!
Redmineって便利そうだけど、これだけいろいろな機能があるとインストールが大変そうだね。インストールが大変だと使う気にならないよ〜。
インストールはツールの入学試験みたいなものね。そこを通過しないと、授業を受けることもできないみたいな。Redmineのインストールは、ApacheとMySQL、RailsやRedmine本体、Redmine Backlogsのインストールにいくつかgemが必要だし……。
※△□×!%*@???
私は専攻は開発プロセスで、ツール系のスキルが高くないから、ALMiniumのインストールとセットアップの紹介は、クラスメートの亜琉美さんにやってもらうわ。亜琉美さん、よろしくね。
承知しました。亜琉美です。よく変わった名前だといわれますが、読みは「あるみ」です。よろしくお願いします。
えっ?えっ?い、いつから、そこにいたの?
では、ALMiniumの紹介を始めます。よろしくお願いします。ちなみに、ALMiniumは、Selenium、Titaniumに続く金属系開発ツールにおいて学園都市で第3位の人気を誇ります。
スルーされた!?っていうか、「金属系開発ツール」って一体、何なの……?
■OSの準備
まず、「CentOS」か「Scientific Linux」(バージョンは6.0以上)がインストールされたマシンを用意してください。マシンがない場合は仮想マシンでも構いません。用意できたら、インターネットにつながった状態にしてrootユーザーでログインしてください。
ここでは説明を簡単にするためにrootユーザーで作業しているけど、rootユーザーでシステムを運用するとセキュリティ上危険なことがあるよ。本格的な運用をしたい場合は、連載「止められないUNIXサーバのセキュリティ対策」などを読んで参考にしてね。
■プロキシの設定・ALMinium取得
最初に、プロキシを設定します。プロキシを利用していない人は、ここは飛ばしてください。プロキシの設定は「http_proxy」「https_proxy」の2つの環境変数にプロキシ情報を設定するだけです。
# export http_proxy=http://{ユーザー名}:{パスワード}@{プロキシホスト名}:{ポート番号} # export https_proxy=http://{ユーザー名}:{パスワード}@{プロキシホスト名}:{ポート番号}
次に、gitをインストールします。
# yum install git
ALMiniumをgithubから取得します。
# git clone https://github.com/alminium/alminium.git Initialized empty Git repository in /root/alminium/.git/ remote: Counting objects: 874, done. remote: Compressing objects: 100% (461/461), done. remote: Total 874 (delta 482), reused 782 (delta 390) Receiving objects: 100% (874/874), 256.12 KiB | 154 KiB/s, done. Resolving deltas: 100% (482/482), done.
インストールするALMiniumのバージョンを取得します。「git tag」コマンドでタグ(リリースされたバージョン)の一覧が見られるので、checkoutで利用したいバージョンを取得します。最新版を利用するのがいいでしょう。
# cd alminium # git tag v0.1rhel v0.9.0 v1.0.0 v1.1.0 v1.1.1 v1.1.2 # git checkout v1.1.2 Note: checking out 'v1.1.2'. You are in 'detached HEAD' state. You can look around, make experimental changes and commit them, and you can discard any commits you make in this state without impacting any branches by performing another checkout. If you want to create a new branch to retain commits you create, you may do so (now or later) by using -b with the checkout command again. Example: git checkout -b new_branch_name HEAD is now at 4dbe6e1... {最新のコミットメッセージ}
■ALMiniumのインストール
準備が終わったら、インストールコマンド(smelt:)錬)を実行し、ホスト名の入力とセキュリティ設定の質問に答えます。盗聴を防ぐためにSSLは有効にしておいた方がよろしいでしょう。また、アプリを動作させるためにセキュリティを設定するように選択します。
# ./smelt RHEL 6.x / CentOS 6.x / OEL 6.xが検出されました。 ******************************************************* ホスト名の設定 ******************************************************* ホスト名(IPアドレスもしくはDNS名)を入力してください。ホスト名はApacheのバーチャルホストで利用されます。 例えば、「192.168.1.4」をホスト名で入力すると、「http://192.168.1.4/」でアクセスすることになります。 (上記の設定では、「http://localhost/」では接続できないので、ご注意ください) ホスト名: xxx.xxx.xx.xx(IPアドレスもしくはホスト名) ******************************************************* SSLのサポート ******************************************************* SSLのサポートを有効にすると、httpsのみの接続を許可します。 httpでのアクセスは、全てhttpsのポートへ転送されるようになります。 SSLの証明書は認証機関により署名されたものではありません。通信の暗号化のみに利用します。 gitの利用では、 $ git config --global http.sslVerify false などのコマンドで、SSLの証明書を無効にする必要があります。 SSL(https)サポートを有効にしますか? y ******************************************************* セキュリティの設定 ******************************************************* アプリを動作させるために、ファイアフォールの設定とSELinuxの無効化を行います。 と答えると手動でセキュリティの設定が必要となります。分からない場合はYと答えてください。 アプリを動作させるためにセキュリティの設定を行いますか?[Y/n] y
これで、しばらく放っておくと、Redmineの動作に必要なrpmパッケージのインストール、gemのインストール、Redmine本体のインストール、プラグインのインストール、日本語環境が合わせてセットアップされます。
インストールできたら、「https://ホスト名/」にWebブラウザでアクセスしてみましょう。Webブラウザで証明書関連のエラーが出ますが、「無視する」を選択すればALMiniumの起動画面を表示します。
ALMiniumなら誰でも簡単にインストールできそうかな。過去Redmineをセットアップしようとした人たちの叡智が詰まったいわば、「プロジェクト開発環境の“赤”本」って感じだね。
インストールが完了したら、前準備としてユーザーの作成、プロジェクトの作成、プロジェクトへのユーザーの割り当てをやる必要があるのよ。入試に合格した後の入学手続きみたいなものだと思ってね。引き続き亜琉美さん、よろしくね。
承知しました。次ページでは、引き続き初期設定を説明します。まず、ユーザーを作成しますが、その前にインストール時に設定されたデフォルトの管理ユーザーでALMiniumにログインする必要があります。[ユーザ名]:admin、[パスワード]:adminでログインしておいてください。
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