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第3回 w32tmコマンドとレジストリによるWindows Timeサービスの制御Windowsネットワーク時刻同期の基礎とノウハウ(改訂版)(2/4 ページ)

Windows OSでの時刻同期処理は、すべてWindows Timeサービスで行われている。これを制御するw32tmコマンドとレジストリ設定を詳しく解説する。

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●w32tmコマンドの/queryオプション

w32tm /query {/status|/configuration|/source|/peer} [/verbose] [/computers:<コンピュータ名>]



 w32tm /queryオプションはWindows Server 2008 R2で新しく加わったオプションで、NTPクライアントとしての時刻同期の状態を細かく確認するためのものである。/queryに続いて/statusオプションを指定すると、コマンド実行時点での時刻同期の状態を確認できるので、最もよく使われるオプションはこれになるだろう。

w32tm /query /status



w32tm /query /statusの実行例
w32tm /query /statusの実行例

 /statusオプションで取得できる情報のうち、「閏(うるう)インジケーター(Leap Indicator)」、「階層(Stratum)」、「ルート遅延(Root Delay)」、「ルート分散(Root Decision)」、「参照ID(Reference Identifier)」などは、時刻同期の状態を確認するのに有効な情報である。特に、最終正常同期時刻はほかの方法では簡単には確認できないので、非常に重宝する。

項目
閏インジケータ
階層
精度
ルート遅延
ルート分散
参照ID
最終正常同期時刻
ソース
ポーリング間隔
w32tm /query /statusで取得できる情報一覧

 /verboseオプションを追加することで、さらに細かい情報を取得できる。/verboseオプションで取得できる情報は下記のとおりだが、Windows Timeサービスのデバッグ(トラブルシュート)以外ではあまり使われることはないだろう。

w32tm /query /status /verbose



w32tm /query /status /verboseの実行例
w32tm /query /status /verboseの実行例

項目
フェーズ・オフセット
クロック・レート
State Machine
タイム・ソース・フラグ
サーバのロール
最終同期エラー
最終同期時刻からの時間
w32tm /query /status /verboseで追加取得できる情報一覧

 また/computerオプションを使うことで、ほかのWindowsコンピュータにネットワーク接続して、時刻同期に関する情報を取得することもできる。ただしWindows認証が事前に必要である。

w32tm /query /status /computer:dc01



w32tm /query /status /computerの実行例
w32tm /query /status /computerの実行例

 /configurationオプションはw32time関連のレジストリ値のうち、NTPクライアントとしての時刻同期に必要な項目を一覧表示するためのものである。「構成」はconfig(Windows Timeサービス全体の構成)レジストリ・キーの内容を表し、「タイム プロバイダー」はntpclient(Windows Timeクライアント・プロバイダの設定)とparameters(参照先NTPサーバの設定)、VMICTimeProvider(仮想マシンに対する設定)の内容を表している。

 ただし設定自体は多岐に渡るため、実行例の画面などを参考にしてほしい。ちなみに/verboseオプションを付けると、対象レジストリ値のうち値が未設定の項目についても「(未定義または未使用)」として表示してくれる。

w32tm /query /configuration



w32tm /query /configurationの実行例
w32tm /query /configurationの実行例

w32tm /query /configuration /verbose



w32tm /query /configuration /verboseの実行例
w32tm /query /configuration /verboseの実行例

 /peersオプションは、NTPピア(同期関係のあるサーバ)の同期状態を表示するものである。/statusオプションとの違いは、「参照先NTPサーバとの同期状態を確認する」という点にある。例えばローカル側のWindows OSの設定が正しくても、参照先NTPサーバに不具合があれば、時刻同期は成功しないが、こういった場合の障害発生部分の切り分けに利用できるだろう。

w32tm /query /peers



w32tm /query /peersの実行例
w32tm /query /peersの実行例

項目
ピア
状態
残り時間
モード
階層
ピア・ポーリング間隔
ホスト・ポーリング間隔
w32tm /query /peersで追加取得できる情報一覧

 /verboseオプションを付けるとさらに細かい情報を取得できる。NTP時刻同期の状況をデバッグするような場合には有用だろう。

w32tm /query /peers /verbose



w32tm /query /peers /verboseの実行例
w32tm /query /peers /verboseの実行例

項目
最終正常同期時刻
最終同期エラー
最終同期エラー・メッセージID
認証方法メッセージID
解決試行回数
有効データ・カウンタ
到達の可能性
w32tm /query /peers /verboseで追加取得できる情報一覧

 そのほか/sourceオプションは、/statusオプションで表示される項目のうちの「ソース」だけを表示する。参照先NTPサーバの情報だけが必要な場合に便利なオプションである。

w32tm /query /source



w32tm /query /sourceの実行例
w32tm /query /sourceの実行例

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