ログ管理から生産管理へ、エムオーテックスがMDMサービスを強化:日ごろから端末セキュリティ状況をチェックする機能も
エムオーテックスは11月28日、Android OSを搭載したモバイルデバイスの操作ログや位置情報を管理できるクラウドサービス「LanScope An」をバージョンアップした。
エムオーテックスは11月28日、Android OSを搭載したモバイルデバイスの操作ログや位置情報を管理できるクラウドサービス「LanScope An」をバージョンアップした。
LanScope Anは、いわゆるモバイルデバイス管理(MDM)サービスの1つだ。専用エージェントを通じて、端末名や製品名、OSのバージョンといった資産情報を取得し、台帳化できるほか、インストールされているアプリの一覧管理などが行える。こうした情報は、Windows Azure上に構築したクラウド基盤上で一元的に管理できる。
ほかのMDM製品にない特徴は、端末の資産情報や設定情報だけでなく、細かな操作ログまで収集できることだ。端末の操作履歴や機器の稼働状況にはじまり、どういった種類のどのアプリがどのくらいの時間使われていたかという「アプリ利用状況」、通話日時と相手電話番号、通話時間などを把握できる「電話利用ログ」、GPS情報に基づいた「最新位置情報」と「移動履歴」など、端末とそれを持つユーザーの行動を把握できるようになっている。
エムオーテックスではログ情報を広く収集することで、セキュリティ管理の徹底だけでなく、行動分析による生産性向上につながると説明している。例えば、優れた営業成績を上げている社員の行動パターンを分析して共有したり、移動履歴情報を日報に代えて報告の手間を省いたりといった具合だ。さらに、メンテナンス業務などでは、コールセンター機能と連動し、顧客からの問い合わせに応じてそのとき最も近い場所にいる社員を派遣する、といった用途にも活用できるという。「モバイル機器の活用状況を見える化することで、企業の生産性向上を支援したい」(同社)。さらに、Windows PC向けのログ収集ソフト「LANScope Cat7」と連動することで、PCとスマートフォン両方にまたがる包括的な管理を実現できるという。
新バージョンでは、日ごろから端末のセキュリティ状況をレポートし、セキュリティリスクを把握できる「警告端末レポート」や「リモートロック/ワイプ」といった機能が追加された。警告端末レポートでは、操作ログや行動録、資産情報を分析し、「設定変更」や「不許可アプリのインストール、実行」といった問題行為があればアラートを上げる。これにより、「何かが起こったときに対応する代わりに、日ごろからセキュリティリスクをチェックできる」(同社)。またリモートロック/ワイプ機能では、いきなりデータを消去するのではなく、直前の位置情報や操作ログを基に異常な状態であると判断できる場合に端末をロックしたり、工場出荷状態に戻すことができる。
LanScope Anの価格は、登録料が1端末当たり6800円、年間使用料が同1200円。地図サービス利用料は1契約当たり8400円となっている。なお同社では、60日間試用可能な無償評価版も提供している。
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