富士通が「垂直統合型」ラインアップを発表:第一弾はOSSを活用したSymfoware+PostgreSQL
富士通の垂直統合型システムはSymfowareの利便性とOSSの拡張性を両立させた構成になるようだ。
富士通は2012年12月6日、垂直統合型システム「Dynamic Integrated Systems」を発表した。第一弾として、データベースシステム「FUJITSU Integrated System HA Database Ready」データベースシステムを2013年3月より販売する。プロセッサにはXeon E5(2690番)を2基搭載し、データベースシステムのインターフェイスにはPostgreSQLを採用している。価格は6730万円(税別)。
いわゆる「垂直統合型システム」では、用途に則してハードウェア/ソフトウェアともに、あらかじめチューニングが施されており、セットアップもあらかじめ設定されているベストプラクティスの構成・設定から選択するだけで動作させられる仕組みになっている。これにより、一般的なソフトウェアスタック型で課題となる、構成管理、個々のソフトウェア間での管理・設定の工数や処理性能向上の(ソフトウェア/ハードウェア的な)ボトルネックを解消できるとされているものが多い。
今回富士通が発表した製品も同様に、設置当日から運用が可能になる「スマートソフトウェアテクノロジー」が用意されている。バックアップやリカバリなどの運用も簡単に行える仕掛けが用意されており、ハードウェア障害などからの復旧もGUIからの操作で実施できるようになっている。
また、パフォーマンスについては、従来の一般的なソフトウェアスタック型データベースシステムと比較して最大で約20倍の性能向上を実現しているという。
インターフェイスにはPostgreSQLを採用していることから、PostgreSQL向けのパッケージ群をそのまま利用できる利点がある。同製品では、PostgreSQLのバージョン間の互換性を保証しているため、バージョンアップに伴うアプリケーション改修や運用変更といったソフトウェア資産上や運用上のリスクは避けられるという。
富士通ではPostgreSQLのコミュニティに参画すると同時に、「Red Hat JBoss Enterprise Application Platform」との接続検証をRed Hatと共同で実施しているという。
なお、従来のプライベートクラウド統合パッケージ製品「Cloud Ready Blocks」も、今後Dynamic Integrated Systemsの製品ポートフォリオに統合するとしている。
同製品はPCIe規格のSSD(1.2TB)にデータベース本体を搭載して実行する。これにより、ディスクI/Oを削減するとともに、CPU負荷を低減、データベース側の処理に最大限のCPU性能を振り向けるチューニングを施しており、トランザクション処理が最大で20倍程度高速化されているという。
システム全体の信頼性についてはSymfoware側に実装されていたミラーリング技術を採用し、システムの完全二重化を行う。富士通のストレージシステム「ETERNUS」の自動バックアップ機能と組み合わせることで、三重の冗長構成をとっている。
システムの運用・管理は「Systemwalker」を採用している。監視機能のほか、バックアップ/リカバリについては、あらかじめ設定されているパターンを基に自動運用が可能になっている。
項目 | 内容 |
---|---|
CPU | インテル Xeon プロセッサー E5-2690(2.90GHz/8コア/20MB)×2 |
メモリ | 160GB |
PCIe SSD | 1.2TB |
ストレージユニット(HDD) | 9TB |
ネットワーク | 1Gbpsイーサネットまたは10Gbpsイーサネット |
電源 | AC100〜200V、AC200〜240V |
ユニット数 | 10U(コンセントボックス/UPSを除く) |
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