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ERPもHANAも二桁成長、13年はクラウドの年に〜SAPジャパンSAPが2012年業績を発表

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 SAPジャパンは1月30日、報道関係者向けの説明会を実施。同社2012年度の業績を発表した。SAPジャパン 代表取締役社長 安斎富太郎氏は、「2012年は、前年に引き続きHANAが好調だった。また、モバイル関連売上が約4倍に急伸しており、全体的に好調だった。2013年はクラウドの年にしたい」と総括した。

HANA、モバイルが好調。ERPも二桁成長を実現

安斎氏写真
SAPジャパン 代表取締役社長 安斎富太郎氏

 SAPジャパンの2012年の売上高は、818億1900万円で前年比21%増だった。そのうち、ソフトウェア関連売上が727億9000万円。21%増の好業績をけん引したのは、前年に引き続き66%増と高成長したデータベース事業と、前年比326%増と約4倍に伸びたモバイル事業。データベースやモバイル事業が伸長したことで、ERPの売上比率が下がり、2010年はERPとNon-ERPの比率が60:40だったが、2012年には同41:59となり、比率がほぼ逆転したという。安斎氏は、「2011年は間違いなくHANAの年だったが、2012年はHANAも好調だったがモバイルの年だ。モバイルの好調はサイベースの影響が大きい。2013年はクラウドの年にしたい」と説明した。

 HANAは世界初の導入企業となったNRIから順調に導入を増やし、2012年で国内50社、世界1000社を超えたという。国内では三井物産、三井情報、エーザイ、シャープなどが導入している。「HANAは2011年はそのテクノロジに注目され導入が進んだが、2012年は実業に貢献できる点を認めて導入した企業が多い。最近の導入事例でも、7時間かかっていたバッチ処理が2時間に短縮されるなど、実際に効果が高かった点が喜ばれている」(安斎氏)。

 また、パートナービジネスも前年比42%増と好調だった。SAP認定コンサルタントは2010年の6659人から9239人まで増加。そのうちのNon-ERPコンサルタント比率も同43%から52%へ増加した。「まだ、パートナービジネスの6割以上がERP関連だ。今後はその割合を下げていきたい」とした。

「SAP Business ByDesign 日本語版」が2013年後半にリリース

 前述のように、2012年はモバイル事業が前年比4倍以上の売り上げで全体をけん引。特にスマートフォンやBYODの普及により、モバイルセキュリティ分野が好調だったという。具体的には、MDMソフト「SAP Afaria」の引き合いが多く、三菱東京UFJ銀行のリテール向け営業部員5000人のギャラクシー端末の管理に採用されたほか、日立製作所と提携し、同社の運用管理ソフト「JP1」にOEM提供されるなど、幅広く売り上げを伸ばしたとした。

 SAPジャパンの親会社である独SAPは、「2015年までにクラウド関連ビジネスの売上高を20億ドルまで引き上げる」という目標を立てている。2012年の同分野の売上高は8.5億ユーロ。今後3年間で売り上げ規模を2倍にしなければならない。目標実現のため2012年には、HCMの「SuccessFactors」やBtoB購買ネットワークの「Ariba」といったクラウドベンダを買収した。SAPジャパンも、本社と同様クラウドシフトをさらに加速し、2013年はクラウドを最も注力するとしている。

 安斎氏は、SAPジャパンの2013年のクラウド戦略について「Aribaは日本では知名度もまだまだ低い。2013年は利益よりもとにかくクラウド市場でのシェア拡大を目指す。日本でなかなか提供開始されない『SAP Business ByDesign 日本語版』も2013年後半には提供開始したい」と説明した。

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