まつもとゆきひろ氏の「新経済サミット2013」語録:日本はもっと、エンジニアを大切に
4月16日、一般社団法人新経済連盟主催「新経済サミット2013」が開催された。その中から、まつもとゆきひろ氏が述べた印象に残った言葉を掲載する。
4月16日、一般社団法人新経済連盟主催、経済産業省後援「新経済サミット2013」が開催された。新経済サミット2013は、産業界および政官界へ意識改革を促すためのアクションとして始動したイベント。既存の仕組みにとらわれない海外の企業やサービス動向を基に、日本における環境整備や教育の在り方がディスカッションされた。
セッション1では、Androidの生みの親 アンディ・ルービン(Andy Rubin)氏、Twitter共同創業者 ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏、Skypeで世界をつないだ ニクラス・ゼンストローム(Niklas Zennstrom)氏らがスピーカーとして登壇し、それぞれがイノベーションを起こすまでの歩みが語られた。
一方、セッション2では、海外のイノベーション事例と対比し「日本から破壊的なイノベーションを起こすには?」という観点からディスカッションが行われた。海外から招かれたスピーカーによる講演を踏まえ、日本の現状の危機感を問いかけるモデレータに対し、Rubyの生みの親 まつもとゆきひろ氏は「日本のエンジニアにもイノベーションを生み出せる環境がすでにある」と鼓舞。会場からは、拍手が湧くシーンもあった。今回のレポートでは、まつもと氏が新経済サミット2013で述べた言葉を集め、語録集として掲載する。
- 1人のエンジニアが世界を変えられる今、政府の支援がどうのこうの言っている場合ではない
- 周りはせめて、イノベーションを起こそうとしている人の邪魔をしてはならない
- 形のない思い込みがいろいろなものを縛っている。何が思い込みで、どんな思い込みを打破しなければいけないのかを判断することが大切だ
- 日本のソフトウェア開発人材が少ないと言うが、実は意外といる。そもそも、人数による価値の指標は本当に正しいのか? 日本のエンジニアは給料が圧倒的に低い。そこに言及せず、少ないというのはおかしいのではないか
- 話をひっくり返すようだが、日本から破壊的イノベーションを起こす必要はあるのか? 破壊するということは、痛いということ。痛くてもいいのか? イノベーションの怖さを甘く見ているのではないか
- 隣にいる人を褒めましょう。エンジニアを大切にしましょう
イノベーションが語られる中で、まつもと氏の1つ1つの言葉が日本の現実と向き合うものだった。会場は、まつもと氏の言葉に共感する空気に包まれた。
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