IBM WebSphere Application Serverの最新版となるV8.5.5を発表:エンタープライズ向けWebアプリケーション実行環境の機能を強化
WebSphereの新版がリリースされる。従来、個別に提供してきた機能を統合し、使い勝手を向上、Webアプリケーションサーバに求められる信頼性を向上している。
日本IBMは2013年6月5日、WebSphere Application Server(WAS)の最新版となるV8.5.5を発表した。6月14日から、日本IBMおよび同社パートナー企業経由で提供を開始する。ライセンス利用料金は3784円〜(税込み、Expressエディションの1プロセッサ・バリュー・ユニット当たりの価格)。
V8.5から提供しているJavaの軽量ランタイム「Liberty Profile(リバティー・プロファイル)」で新たにJava EE 6のWebプロファイルに準拠、従来別製品として提供してきた分散オブジェクトキャッシュ機能「IBM WebSphere eXtreme Scale(eXtreme Scale)」をWASに同梱して提供、WASのライセンスのみで利用できるようにしている。
Liberty Profileは、フットプリントが小さく起動が早い点が特徴で、通常のWASが提供する大規模Webアプリケーション向けの構成設定などを経ずに利用できる点が特徴。スモールスタートでの開発に適している。新版では、従来のLiberty Profileの機能に、Webサービスやメッセージング機能を追加している。併せてユーザーが独自に機能追加するためのインターフェイスも提供する。
また、eXtreme Scaleでは、複数メモリ間でデータやロジックを動的に分割/複製、管理する機能を持っていることから、大規模トランザクション処理の高速化が期待できる。また、耐障害性の面でも、トランザクション整合性を保った状態で安全なサーバ切り替えを実施できるため、アプリケーションサーバそのものの信頼性が高まる。eXtreme Scaleの機能はBaseエディション以上のエディションに含まれる。
WAS V8.5.5ユーザーには、デスクトップ環境向け開発環境「IBM WebSphere Application Server for Developers V8.5.5」「WebSphere Application Server Developer Tools for Eclipse V8.5.5」のサポートも提供する。
関連記事
- サービス事業者が重要なターゲット:「クラウドDevOps」サービスを国内で正式発表、日本IBM
日本IBMは2月26日、アプリケーションの開発から検証、デプロイメント、運用までのプロセスを同社クラウドサービス上で完結できるサービス、「IBM SmarterCloud Application Services(SCAS)」を国内で正式発表した。2012年12月に提供開始していたという - PureSystemsファミリーのデータ分析アプライアンス:ビッグデータ処理に特化した「IBM PureData System」
日本アイ・ビー・エムは、ビッグデータ処理・分析に特化した新製品群を発表した。SIコストが掛からない「パターン」による早期立ち上げが強みだ - 非同期処理と疎結合ができる「メッセージング」の常識
企業向けアプリケーションのさまざまな“常識”をJavaのオープンソース・フレームワーク群である「JBoss」から学んでいきましょう。企業システムを構築するうえでの基礎となる知識をリファレンス感覚で説明していきます。初心者から中堅、ベテランまで大歓迎! - Webアプリの常識をJSPとStrutsで身につける(3):Webアプリにおけるサーバとクライアントの常識
本連載は、JSP/サーブレット+StrutsのWebアプリケーション開発を通じて、Java言語以外(PHPやASP.NET、Ruby on Railsなど)の開発にも通用するWebアプリケーション全般の広い知識・常識を身に付けるための連載です
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.