検索
連載

アドビの終了したサービスは別の形で生かされるUXClip(30)

アドビシステムズは定期的にユーザーからの声を聞き、製品にフィードバックしている。来日中の担当者が多様化するテスト環境、そしてTypeKitの日本語対応について説明した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 アドビ システムズは定期的にユーザーからの声を聞き、製品にフィードバックしている。来日中の担当者、アンドリュー・ショーテン(Andrew Shorten)氏と中村美香氏が、多様化するテスト環境、そしてTypeKitの日本語対応について説明した。

──今回の来日でどのような課題が見つかったか

アンドリュー・ショーテン氏 日本での課題はほかの地域と同じものが多かった。そのため、各地域をまたいでいけるようなソリューションを用意していくことになる。日本で顕著な課題は、既存のFlashコンテンツをほかのデバイスでも使えるようにしたいというものだ。


ショーテン氏、プロダクトマネジメントディレクタ、Webプラットフォーム&オーサリング

──スマートフォンの普及でテスト環境は多様化している

ショーテン氏 モバイルデバイスの数はいままで以上に増えてきている。そのような中、コンテンツを作るには、デザイナと開発者の連携がより重要になってきている。

 Adobe Edge Reflowで作ったレイアウトは、ブラウザ上でそのまま再現されることが確約されている。デザインの途中でもEdge Reflowを使っていれば、Edge Inspectを利用してライブテストができるようになった。これによって、デザイナは制作した後の表示バグに振り回されることがなくなり、無駄な工数が削減される。

──サービスを終了したAdobe BrowserLabについて

ショーテン氏  Adobe BrowserLabはブラウザごとの表示の差異を確認するためのツールだった。しかし最近のブラウザは互換性の問題は多少残っているが、表示の差異はかなり改善されてきている。その結果、表示のテストはBrowserLabを利用しなくてもできるようになってきた。

 一方でモバイルデバイスの数は増えてきており、そのテストを行うという課題が出てきた。BrowserLabのチームはそこで得られたさまざまなノウハウを新しいプロダクトに継承した。そうして生まれたのがAdobe Edge Inspectだ。

 Adobe BrowserLabからAdobe Edge Inspectへ移行したのは大きな変化だ。われわれはマーケットの反応やニーズを見ながら、常に新しい製品を素早く提供できるようになった。

──Typekitの日本語対応の予定はあるのか

中村美香氏 日本語対応の予定はもちろんある。次期Creative Cloudのリリース時には間に合わないが、まずナレッジベースでの提供を行う。現状、Typekitは欧文フォントを想定したインターフェイスになっているため、これらを日本語などのフォントに対応したものに変える必要がある。そのため、はっきりとしたリリース時期は分からないが、対応はする。


Typekitの日本語化について答える中村美香 クリエイティブ&メディアソリューションズ グローバリゼーション シニアプロダクトマネージャー

──Adobe Edge ReflowにはEdge Inspectが統合されているのに、同じEdgeファミリーであるAdobe Edge Animateには統合されていないのはなぜか?

アンドリュー・ショーテン氏 アドビシステムズはさまざまな製品でリノベーションを取り入れていくつもりだ。ReflowとInspectが統合され、まずそれについてユーザーの反応を見てみたい。好意的に受け入れられれば他製品への統合も考えられるし、もしそうでなければ、ほかの何か考えることになる。アドビシステムズはこれまでは18カ月ごとのアップグレードを行うといったスタンスでやってきたが、これからは4〜6週ごとに新機能をリリースしていくだろう。

 ユーザーはより気軽にフィードバックできるよう、各製品の画面からフィードバックを送信できるようになる。

まとめ

 今月にもリリースが予定されている次期Creative Cloudは、よりユーザーと密接に関わり合うアプリケーション群となっていくことが、このインタビューから感じられた。彼らは、ユーザーのさまざまな目的に応じたソリューションを幅広く提供していく姿勢で、そのためにもフィードバックをどんどん寄せて欲しいとのことだ。

 今月にもリリースが予定されている次期Creative Cloudは、よりユーザーと密接に関わり合うアプリケーション群となっていくことが、このインタビューから感じられた。また、サービス終了したBrowserLabについては、資産が確実に引き継がれており、その時代に対応した製品開発に生かされているいくことも分かった。彼らは、ユーザーのさまざまな目的に応じたソリューションを幅広く提供していく姿勢で、そのためにもフィードバックをどんどん寄せて欲しいとのことだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る