デル、データセンター向けファブリック構想を発表:ファイバチャネルを統合する新スイッチ「S5000」も
デルの発表した新スイッチ「Dell Networking S5000」は、同社が新たに打ち出した、OpenFlow対応のネットワークファブリック「Dell Active Fabric」を構成する要素の1つともなる製品だ。
デルは6月11日、イーサネットとFCoEの両方を収容可能な、トップオブラック(ToR)向けのスイッチ「Dell Networking S5000」を発表した。同製品は、デルが新たに打ち出した、OpenFlow対応のネットワークファブリック「Dell Active Fabric」を構成する要素の1つともなる。
米デル Dell Networking プロダクトマーケティング・ディレクターのジョナサン・セクラー氏は、「データセンターではNorth-South(垂直方向)よりも、サーバや仮想マシン間をまたぐEast-West(水平方向)のトラフィックが飛躍的に増加している」と指摘。Dell Active Fabricは、そうした課題に応えるネットワークソリューションだと説明した。
Dell Active Fabricは、S5000のほか、「S4820T」「S4810」「X9000」「XML」といった同社のネットワークスイッチ群で構成される、フラットなL2/L3のネットワークだ。スパニングツリーを利用せずにアクティブ/アクティブのネットワーク構成を実現する「Virtual Link Trunking」(VLT)をサポートしていることが特徴で、ファブリック管理ソフトウェア「Dell Active Fabric Manager」を通じて運用管理やプロビジョニング作業を行える。
「Dell Active Fabricは仮想デスクトップ(VDI)やHadoopなど、モダンなタイプのアプリケーションやクラウドに最適化されている」(セクラー氏)。
スイッチ専用OS「FTOS 9.1」ではOpenFlowもサポートする。現時点でFTOS 9.1を搭載しているのは「S4810」「Z9000」に限られるが、徐々に対応機種を拡大することで、Dell Active FabricをベースとしたSDN環境を実現。Big Switch NetworksなどのOpenFlowコントローラとの連携も可能になるという。
新製品のDell Networking S5000は、4ポートの40GbEを搭載したモジュラー型スイッチだ。最大4台のモジュールを追加可能で、10GbEを最大64ポート収容できる。またFCoEも収容できるため、イーサネットとファイバチャネルを統合した、シンプルなネットワークを構築できることが特徴だ。S5000は最大6台までのスタッキングが可能で、VLTもサポート。年内にはFTOS 9.1を搭載し、OpenFlowへの対応を図るという。
なお、Dell Networking S5000をはじめとする同社のネットワーキング製品群は、6月12日から14日にかけて開催されている「Interop Tokyo」を支える「ShowNet」でも活用されている。フローを監視し、悪意あるトラフィックについては「S4810」でOpenFlowを用いて宛先を変更して、セキュリティ製品の「Dell SonicWALL SuperMassive E10000」に送り込んで検査を行うといった運用を実現しているほか、多数の仮想マシンの基盤として、デル製のサーバが利用されている。
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