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沖縄市はGIGAスクール「1万6000台同時通信」の遅延をどう解消した? “40Gbpsに増強”もコストは3分の1ファイアウォールのSSL処理をオフロード

A10ネットワークスは沖縄市教育委員会の次世代GIGAスクール構想にセキュリティプラットフォーム「A10 Thunder CFW」を提供した。SSL復号処理のオフロードによりネットワーク投資を約3分の1に圧縮している。

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 ネットワーク機器ベンダーのA10ネットワークスは2026年4月7日、沖縄市教育委員会が進める「次世代GIGAスクール構想」において、統合型セキュリティプラットフォーム「A10 Thunder CFW」が採用されたことを発表した。

始業時1万6000台の一斉ログインが招く授業開始の遅延が深刻化

 沖縄市教育委員会ではGIGAスクール構想により児童生徒1人1台の端末配布を進めていたが、100人規模の小規模校から1000人超の大規模校まで全ての学校が同帯域のネットワークを利用していたため、始業時の一斉ログインによる輻輳(ふくそう)と授業開始が遅延する「ログイン渋滞」が発生していた。

 同市は24校全ての通信をデータセンターへ集約し、40Gbps超の高速回線に統一する大規模なネットワーク刷新を決定した。

遅延解消とコスト削減を同時に実現

 ネットワーク刷新に当たり、校務用PCの通信可視化に必要なSSL復号処理には数億円規模の高性能ファイアウォールが必要となり、予算制約が障壁となっていた。A10 Thunder CFWはSSL復号・再暗号化、負荷分散、テナント制御を単一筐体(きょうたい)に統合し、ファイアウォールが担うSSL復号処理をオフロードできる。主な導入効果は以下の通り。

  • 高性能ファイアウォールを2ランク下の機種に変更可能
  • 5年間の保守費を含めた総コストを約3分の1に削減
  • 約1万6000台の端末トラフィックを遅延なく処理
  • Googleサービス利用のテナント制御にも対応
  • 各学校で異なる校務用PCの持ち出し運用にも対応可能なセキュリティを維持
  • 校務用PCの通信可視化によるガバナンス(管理体制)強化
  • 文部科学省が推奨する次世代GIGAスクール構想に準拠

 次世代ネットワークは24校からの通信をダークファイバー(未使用で光信号が通っていないファイバー)でデータセンターに集約し、A10 Thunder CFW 3台とファイアウォール2台の構成で整備された。

沖縄市の次世代GIGAスクールネットワーク構成図
沖縄市の次世代GIGAスクールネットワーク構成図(提供:A10ネットワークス)

 沖縄市教育委員会の島優子氏(指導部 教育支援センター 副主幹)は、「今回のネットワーク更新により、これまでの通信課題が解消されることへの期待は非常に大きい。大規模校であっても、子供たちがストレスなく学べる環境を維持するために、A10 Thunder CFWが不可欠な役割を果たしてくれるはず」と述べている。

 現在はデータセンター内のオンプレミス型で運用している校務システムも、将来的に沖縄県全体でクラウド化が見込まれている。その際のSSL処理や通信制御にもA10 Thunder CFWを活用する計画としている。A10 Thunder CFWはファイアウォール機能も実装しているため、運用状況に応じて段階的な有効化も検討するとしている。

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