Linux 3.10登場、SSDキャッシュやRadeonをサポート:MIPSアーキテクチャもKVMに対応
リーナス・トーバルズ氏は、Linuxカーネル3.10をリリースした。SSDをキャッシュとして利用する仕組みなどが追加された。
リーナス・トーバルズ氏は6月30日、Linuxカーネル3.10をリリースしたと発表した。
カーネル3.9からの変更点を解説しているKernel NewbiesやH-Onlineによると、カーネル3.10の主な新機能として、新しいSSDキャッシュフレームワーク「bcache」や、Radeonのビデオデコーダのサポート追加などが挙げられている。
bcacheでは、他のブロックデバイスからのデータをSSDにキャッシュできるようにした。例えば高速アクセス可能なSSDを、比較的アクセス速度が遅いHDDのキャッシュとして利用し、頻繁に読み出すデータなどへのアクセスを高速化することが可能になる。
Radeonドライバでは、Radeon HD 4000以降のHDグラフィックスカードに向けてUnified Video Decoder(UVD)と通信するインターフェイスが実装された。このインターフェイスを使ったオープンソースUVDドライバは、Mesa 3Dの次期メジャーアップデート(バージョン9.2または10.0)に盛り込まれる予定だという。
また、実験的ファイルシステム「btrfs」の改善によってエクステント情報を保存するための専用ツリーが30〜35%縮小された。ほかに、XFSメタデータチェックサムや、タイマーレスマルチタスキング、SysV IPCの機能強化などの機能強化が盛り込まれた。
さらに、短いトランザクションのテイルレイテンシを低減させるTCP Tail Loss Probe(TLP)アルゴリズムや、MIPSアーキテクチャにおけるKVM仮想化のサポート、ARMの省電力技術であるbig.LITTLEアーキテクチャへの対応などが追加されている。
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