グーグルのプレスイベントで見るグーグル新時代の幕開け:ドリキンが斬る!(4)(4/4 ページ)
新型Nexus 7タブレットやAndroid 4.3、さらには新デバイスChromecastの発表から、グーグルの新世代戦略を読み解きます。
まとめ
毎度長文で恐縮ですが、今回の発表を簡単にまとめるとこんな感じでしょうか?
新型Nexus 7とAndroid 4.3は事前情報通りの着実な進化
新型Nexus 7とAndroid 4.3は予想通りで大きな驚きはなかったのですが、それでも新型機に搭載するアップルのRetinaディスプレイを超えるピクセル密度のフルHDディスプレイや、バーチャル5.1チャンネルサウンドに対応したスピーカ、スリムな本体など、iPad miniの弱点を確実に詰めていく作り込みで、大ヒットの予感です。
Android 4.3についても、現状の完成度に満足することなく、派手さのない地味な作り込みを続けている姿勢はとても好感が持てます。
アップルのiOS 7は対極的に、デザインを一新することでリフレッシュを図っていますが、この辺りの方向性、判断の違いがどうなるのか、まだまだモバイルプラットフォーム市場も目が離せないなと思いました。
Chromecastは新発想の魅力的なデバイス
Chromecastは、まさかのChrome OS活用法の発想転換でした。
コロンブスの卵的発想でWebブラウザ技術をストリーミングビデオ再生端末にしてしまう柔軟性や、クラウドインフラに依存した設計に、「グーグルらしさ、グーグルにしかできないアイデアの実現だなぁ」と感心しました。
同社サービスの既存ユーザーを前提とした上で、Apple TVすら過剰に見えてしまうシンプルさを追求した尖ったデバイスでありながら、35ドルという格安な価格設定で、Google TVとは違いこちらもヒットの予感がします。
アップルフリークであることを自認していて、基本的にはアップル製品で身を固めていたはずが、気付いてみたら携帯電話はNexus 4が気に入っており、新型Nexus 7も購入して、モバイルプラットフォームがAndroidメインにシフトし始めてます。
最近、「Chromebook Pixelで30日間生活してみる」というグーグルのマット・カッツ氏の記事に触発され、自分でも「プライベートで使うメインPCをChromebook Pixelにして生活してみる」というチャレンジを行いました。その結果も、今後この連載でレポートできればと思っています。
ということで、WWDC 2013レポートの途中でしたが、変則的にグーグルのイベントレポートをお送りしました。次回はまたWWDC 2013ネタに戻ってiOS 7中心に記事を書く予定です。
著者プロフィール ドリキン
サンフランシスコ在住 ガジェット、グルメ系ブロガー。ブログはDrift Diary XVと動画ポッドキャストのdrikin.tv。最近英語の勉強がてらに始めたDrift Diary USAも運営中。本業はソフトウェアエンジニアでdrikin.comにて自作アプリも公開中
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