Yamaguchi Mini Maker Faireに西日本のMakerが集結!:D89クリップ(64)(2/3 ページ)
山口県山口市で、西日本初のMaker Faireが開かれ、日本全国から100組を超えるMakerたちが集まった。
広いスペースを生かした大きな作品が集結!
東京以外のMaker Faireでは、スペースがゆったり取れるせいか、物理的に大きな作品が目立つ。その中でも注目を集めていたのは、丸尾龍一さんの「デコチャリ」。
もともとはデコトラを作りたかったが、免許が取れる年齢ではなかったので、工業高校に入って自転車をデコレーションする「デコチャリ」を作り始めたという。車輪にエンジン音を発生させる仕組みを作り、荷台に積んだ自動車用のバッテリから自転車全体のLEDを発光させる。
丸尾さんに影響されてデコることに憧れた後輩は、初音ミクのデコチャリを制作。こちらはデコチャリというより、むしろ痛チャリか。
北九州市からは、ヒーローキャラの「キタキュウマン」もMaker Faire会場に登場。デコチャリにまたがっていた。
岡山からの出展者である創作工房みやべ製作所も大物を出展していた。軽トラックの荷台にそのまま載るキャンパーシェルを展示。重量わずか60キログラム、数秒で開閉して軽トラックの荷台がそのままキャンプスペースになる。
しかも、屋根に配置したソーラーパネルから内部のバッテリに給電して扇風機や電化製品を使うこともできる。
香川を中心に活動する電子工作サークルのえれくら!も出展し、100円ショップで買えるものを中心に制作した工作物を展示。会場での声に応えて、「100均商品で作る360度カメラ」の作り方を公開した。
九州プログラミング研究会では、作品のキット販売の他、パタパタ時計やArduinoと連動した温度計、LEDイルミネーションなどを展示していた。
山口のMakerたちも集結!
地元である山口の各地からも、ものづくりを行う個人、機関、企業から、さまざまなMakerたちが出展している。アーティスト、エンジニア、デザイナー、メーカーと、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちだ。
山口を拠点にする特殊メイクアーティストのゾンビママは、ブース内で希望者にゾンビメイクを施す「寺子屋ぞんび」を出展。
ゾンビメイクを施すだけでなく、メイクされた一人一人にカルテを渡し、「どこで感染してゾンビとなったか」「ゾンビとなって何が変わったか」をカルテに記載する展示を展開。会場のあちこちでゾンビメイクをした来場者・出展者が見られた。
津田夏海さんの「ナッツの引き出し」は、中学3年のときに受験勉強のプレッシャーから逃れて、Nゲージのレールとジオラマを勉強机の中に配置したもの。配線を机の外に出して、勉強机だけで稼働するNゲージキットを制作。
会場に勉強机を持ち込み、机の引き出しの2段目に車両、最下段にレール類を配置した形で展示。机の中にできたNゲージのジオラマと列車で、皆を楽しませていた。
個人のMakerだけでなく、山口の教育機関も出展している。山口県立大学企画デザイン研究室は多くの服飾企画を出展していた。
まず、山口ゆかりの高杉晋作率いる長州・奇兵隊の衣装をリデザイン(再設計)して展示。
こちらの和服も同じ研究室から展示されていた。手すき和紙をもとに制作した生地を和服に仕立て、椿で染めたもの。
地元の宇部工業高等専門学校春山研究室は、スマートフォンのカメラを使った遠隔操作ロボットを出展していた。遠隔操作ロボットは今回、さまざまなグループが出展していたが、春山研究室では子どもが勢い良く操作し過ぎるので、会場内で調整してスピードを落とすなど、展示ならではの工夫を重ねていた模様だ。
山口のMakerであるRyoji Oiさんは、カメラ越しにスマートフォンで操作する遠隔操作ロボットを展示した。Raspberry Pi + Arduinoで制御されている6本タイヤのロボットは迫力満点。
山口の製造業者、いわゆる「メーカー」も出展していた。
石野製作所では、独自に開発した油絞り機「SHiBORO」を出展していた。胡麻、ナッツなど、さまざまな植物をシリンダーに入れて絞ると、サラサラとしたきれいな油が出てくる機械である。
同じく山口のメーカーである木原製作所は、乾燥機専門メーカーとして、世界初の小型家庭用乾燥機「SP−1」を展示した。手軽にドライフルーツが作れる他、設定によってはヨーグルトなどの発酵食品も作ることができる。
中村民芸社では、山口の伝統的工芸品「大内塗」をさらにアピールするため、プラモデルにうるし塗りの加工を施した展示を行っていた。
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