ふわっと下から浮き出るツールチップ:脱エンジニアっぽさ! クライアントの笑顔を引き出すCSS3アニメーション(3)(3/3 ページ)
上手く使うことで画面をスッキリとさせられるツールチップ(吹き出し)。今回は、アニメーションするツールチップをCSSだけで作ってみます。
3)吹き出しのアニメーション
表示させる要素が整ったところで、いよいよアニメーションを付けていきます。サンプルのように、下からふわっと浮き出る動きを設定します。
まず、アニメーションの内容から指定します。
/*アニメーションの内容*/ @keyframes bubbleUp { 0% {bottom:15px; opacity:0;} 100% {bottom:25px; opacity:1;} }
アニメーションの開始時点(0%)では、「bottom:15px;」の位置に置き、「opacity:0;」で完全に透明な状態にして消しておきます。
アニメーションの終了時点(100%)では、マウスオーバした際の位置指定と同じく「bottom:25px;」とし、「opacity:1;」で透明度をなくします。そして、これに「bubbleUp」という名前を付けます。
さらに、マウスオーバした際のセレクタ「a.tooltip:hover span」に対して、アニメーションの制御指定をします。
アニメーションの開始から終了までの時間を0.2秒にし、アニメーションは1回だけ(=繰り返さない)とします。
a.tooltip:hover span{ …… /*アニメーションの制御設定*/ animation: bubbleUp 0.2s 1; }
動きが気に入ったら、これら@keyframesやanimationの設定をベンダプレフィックスを付けて増やし、多くのWebブラウザで動作するようにします。
a.tooltip:hover span{ …… /*アニメーションの制御設定*/ -moz-animation: bubbleUp 0.2s 1; -webkit-animation: bubbleUp 0.2s 1; -o-animation: bubbleUp 0.2s 1; animation: bubbleUp 0.2s 1; } /*アニメーションの内容*/ @-moz-keyframes bubbleUp { 0% {bottom:15px; opacity:0;} 100% {bottom:25px; opacity:1;} } @-webkit-keyframes bubbleUp { 0% {bottom:15px; opacity:0;} 100% {bottom:25px; opacity:1;} } @-o-keyframes bubbleUp { 0% {bottom:15px; opacity:0;} 100% {bottom:25px; opacity:1;} } @keyframes bubbleUp { 0% {bottom:15px; opacity:0;} 100% {bottom:25px; opacity:1;} }
その他の動きも試してみましょう。クエスチョンマークから吹き出しが飛び出してバウンドするようなアニメーションにします。
一度大きく飛び出してから着地したものの、勢い余って少し弾んでしまい、その後に静止するという動きになっています。
それには、次のように設定します。
@keyframes bubbleUp { 0% {bottom:0px; opacity:0; transform: scale(0,0);} 40% {bottom:45px; opacity:1; transform: scale(1.15,1.15);} 60% {bottom:25px; opacity:1; transform: scale(1,1);} 80% {bottom:30px; opacity:1; transform: scale(1.05,1.05);} 100% {bottom:25px; opacity:1; transform: scale(1,1);} }
単純に透明度と上下の位置を移動するだけでなく、「transform: scale()」を使ってサイズも変更しています。( )内はカンマで区切って、1を等倍とした横の拡縮比、縦の拡縮比を順に指定します。
さらに、アニメーションの制御設定も行います。
a.tooltip:hover span{ …… /*アニメーションの制御設定*/ animation: bubbleUp 0.3s ease-in-out 1; }
アニメーション時間を0.3秒とやや長くし、アニメーションの速度を遅い → 速い → 遅いと緩急を付けるease-in-outを指定しました。
一般的にはちょっと大げさな動きかもしれませんが、元気さや躍動感を売りにしたいWebサイトや、ある程度強く注意を喚起したい場合などは、こうしたアニメーションにしてみても良いですね。
内田 順一(Chime of Shigan)
アートディレクター。広告、販促物の企画・制作を中心に「コサインスタジオ」名義でフリーランスとして長らく活動後、2007年に株式会社Chime of Shiganを立ち上げ。企業や商品のブランド構築を支援しながら、パンフやポスターなどの紙媒体から、ムービー、Webサイト制作まで幅広くサポート。
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