「Ubuntu 13.10」登場、デスクトップ版とサーバ版を用意:OpenStackにも対応
英Canonicalは、「Ubuntu 13.10」を公開した。デスクトップ版を「モバイル端末とPCの融合への第一歩」と位置付け、Ubuntu搭載スマートフォンの発売準備を進めている。
英Canonicalは2013年10月17日、デスクトップとモバイル端末に向けた「Ubuntu Desktop 13.10」、サーバ向けの「Ubuntu Server 13.10」、クラウドに向けた「Ubuntu Server for cloud 13.10」を公開した。いずれもWebサイトからダウンロードできる。
デスクトップ版については「モバイル端末とPCの融合への第一歩」と位置付けた。メーカーやキャリアと協力して、Ubuntu搭載のスマートフォンを2014年に発売する準備を進めているという。Ubuntuエンジニアのリック・スペンサー氏は「全く同じUbuntu OSが、ARM搭載のスマートフォンとHP Moonshot ARMサーバで動作し、x86プラットフォームと同じ機能を提供する」とコメントしている。
Ubuntu 13.10は、ブラウザやカレンダ、時計、天気予報、電卓などのモバイル向けアプリを含む。さらに、Ubuntu向けアプリの開発ツールをセットにしたSDKも導入した。ネイティブアプリとHTML5アプリの両方の開発に対応し、単一のコードベースでスマートフォンとタブレット、PC用のアプリが簡単に構築できるという。検索機能「Dash」では、新たにWikipediaやAmazon、Google News、Flickrなどを検索できるようにしたほか、さまざまな検索結果を自動的に組み合わせる「Smart Scope」を加えた。
一方、サーバとクラウド向けのUbuntu 13.10は、「OpenStack Havana」を初めて完全サポートし、「VMWare vSphere」も管理可能とした。クラウド構築ツール「Juju」の更新版では、同じ物理マシンや仮想マシン上で複数のサービスを実行するLXCコンテナの管理に対応している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 企業におけるスケールアウトシステムの普及を後押し:HP、「ProLiant+Ubuntu」のワンストップサポートを提供
日本ヒューレット・パッカードは2013年10月4日、サーバ製品「HP ProLiant」にLinuxディストリビューション「Canonical Ubuntu Server」を搭載し、同社Linuxサポートチームによるテクニカルサポート付きで出荷することを発表した。 - Windows Azure情報アップデート:カノニカルが提供するクラウド構築ツール「Juju」がAzure環境への展開もサポート
高度なアプリケーションを含むクラウドインフラを、AWSやOpenStackなどに簡単に展開できるツール「Juju」がWindows Azureをサポートした。WordPressやMySQLなどのほか、MongoDBなど、Juju Charmに登録された環境を展開できる。 - クラウドファンディングで端末開発中:Androidとのデュアルブートに対応した「Ubuntu Edge」695ドルに値下げを発表
Canonicalがクラウドファンディングで開発を進めるUbuntuケータイが提供価格を値下げ。さらなる資本獲得を目指す。