HP、「ProLiant+Ubuntu」のワンストップサポートを提供:企業におけるスケールアウトシステムの普及を後押し
日本ヒューレット・パッカードは2013年10月4日、サーバ製品「HP ProLiant」にLinuxディストリビューション「Canonical Ubuntu Server」を搭載し、同社Linuxサポートチームによるテクニカルサポート付きで出荷することを発表した。
日本ヒューレット・パッカード(HP)は2013年10月4日、サーバ製品「HP ProLiant」にLinuxディストリビューション「Canonical Ubuntu Server」を搭載し、同社Linuxサポートチームによるテクニカルサポート付きで出荷することを発表した。Ubuntu Serverを、サーバハードウェアも含めた一括サポートとともに提供することで、拡大するスケールアウトシステムのニーズに応えることが目的だ。
Ubuntuは、Canonicalが開発するオープンソースのLinuxディストリビューションだ。半年に1回というペースで定期的にアップデートが行われており、HadoopやNoSQL、あるいはクラウドオーケストレーションソフトのOpenStackなどを動かす基盤として広く利用されている。スケールアウト型システムの構築やデプロイを容易にするGUIベースのツール「JuJu」を用意しており、画面上でドラッグ&ペーストするだけでノードの追加と必要なアプリケーションのインストール、設定まで行えることも特徴だ。
HP ProLiantではこれまでもUbuntu Serverの動作を保証していた。今回の協業体制強化により、経験豊富なHPのLinuxチームによるテクニカルサポートをバンドルし、Canonicalのサポートエンジニアへのエスカレーション体制も整えて提供することで、「ライセンス/サブスクリプションが不要なオープンソースの活用によってコストは抑えたいが、サポートなしの導入は困難」と考える企業の背中を押すという。
特にターゲットとしているのが、Hadoopを活用したビッグデータ分析基盤としてのスケールアウトシステムだ。
日本HP サーバー&ネットワーク製品統括本部 統括本部長の橘一徳氏は、「今後、『Internet of Things(IoT)』や『M2M』などで生み出される膨大なデータをいかに効率的、効果的に活用するかといった新しいITトレンドの中で、スケールアウトシステムに対するニーズが高まると予想している。それに応える意味で、特徴あるOSをサポートし、Hadoop代表される新しいコンピュータリソースの使い方に対応していく」と述べた。
Canonical Ubuntu Serverには4種類のサポートが用意されており、価格は、1年/標準時間サポートの場合で7万1400円、1年/24×7サポートで12万1800円。
日本HPは同時に、高密度のサーバ新製品「HP ProLiant SL2500 Scalable System」も発表した。シャーシ「HP ProLiant t2500」と1U/2Uサイズのノード「HP ProLiant SL210t Gen8 Server」など構成される製品で、1つのシャーシに最大4台のサーバノードを搭載できる。従来モデルに比べ、2倍以上のメモリ容量を実現したほか、I/Oスロット密度も高めており、スケールアウトシステムに適したプラットフォームになっているという。価格は、シャーシに1UサイズのHP ProLiant SL210t Gen8 Serverを4ノード搭載した構成で、135万1000円。
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