Webレンダリングエンジン「Blink」の2014年の目標は「モバイルでの成功」:読み込み時間などの指標向上、メモリ消費や電力消費の低減図る
米グーグルの担当者が、ChromeブラウザーのWebレンダリングエンジン「Blink」の2014年の目標を説明した。
米グーグルがChromeブラウザーのWebレンダリングエンジンに採用している「Blink」について、同社担当者がBlink開発グループへの1月11日の投稿で、同年の目標を説明した。
BlinkはGoogleが2013年4月にWebKitからの切り替えを発表したオープンソースのレンダリングエンジン。同社ソフトウェアエンジニアのエリック・サイデル氏はその現状について、「Webの利用はデスクトップからモバイルへのシフトが続いているにもかかわらず、モバイルWebの潜在力は到底引き出すことができていない。その一因は、BlinkなどのWebエンジンが、パフォーマンスに制約のある端末上で必要とされる機能を果たしていないことにある」と分析した。
従って、モバイルで成功を収めるためにはBlinkのモバイル対応を大幅に改善する必要があると説明。2014年に達成すべき目標として、スクロール操作やアニメーションの円滑化、入力反応や読み込み時間といった主要指標の継続的な向上、モバイルWebベンチマークでの首位獲得、メモリ消費の低減、最低限の電力消費を挙げている。
さらに、高速で素晴らしいWebアプリを開発しやすくするためには、モバイルWebプラットフォーム自体も継続的に改善を図る必要があるとも述べている。そのための目標として、オープンWebアプリの機能をネイティブアプリ並みとすること、Webアニメーションやポインタイベントといったプラットフォームレイヤリングによるアプリフレームワークの強化、モバイルに重点を置いたWeb開発ツールの改善などを挙げた。
また、WebプラットフォームとBlinkプロジェクトの長期的な健全性を、常に最優先の課題に据えると表明。破損を最低限に抑えながら大型プラットフォーム機能を縮小/削除する方法の発見、BlinkレポジトリのChromiumへのマージ、Blinkのマルチプロセス対応強化、Blinkコードベースのモジュール化と均質化の推進、BlinkとChromiumを全コントリビューターにとってさらにアクセスしやすいものにする、などの目標を打ち出している。
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