IE 9/10にゼロデイ脆弱性、EMETやFix ITの適用推奨:米国では攻撃コードも観測
マイクロソフトは2014年2月20日、Internet Explorer(IE)9/10に未パッチの脆弱性(CVE-2014-0322)が存在することを明らかにし、セキュリティアドバイザリを公開した。
マイクロソフトは2014年2月20日、Internet Explorer(IE)9/10に未パッチの脆弱性(CVE-2014-0322)が存在することを明らかにし、セキュリティアドバイザリを公開した。該当する環境のユーザーには、Fix itやEnhanced Mitigation Experience Toolkit(EMET)といった回避策を取るよう推奨している。
このゼロデイ脆弱性は、米ファイア・アイなどによって指摘された。MSHTMLライブラリのCMarkupコンポーネントのメモリ処理に問題があり、細工したHTMLドキュメントを開くだけで任意のコードを実行され、不正なプログラムをインストールされたりする恐れがある。ただし、この脆弱性の影響が及ぶのはIE 9/10で、IE 11は影響を受けない。
ファイア・アイによると、既にこの脆弱性を悪用する攻撃コード(Exploit)が確認されている。同社が把握したケースでは、米退役軍人会(VFW)のWebサイトに、Adobe FlashをインストールしたIE 10をターゲットとした攻撃コードが仕掛けられていた。しかもこの攻撃に使われていたインフラや手口には、過去に発生したゼロデイ攻撃「DeputyDog」「Hydra」との共通点があるという。
対策は、IE 11以降にアップグレードするか、EMET、あるいはFix IT 51007を適用すること。そのいずれも難しい場合は、当面他のブラウザを利用することも選択肢の1つとなる。
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