レノボとIBM、サーバー事業展開の発表まとめ:汎用x86サーバーはレノボ、POWERサーバーアプライアンスはIBM
2014年10月1日、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズが始動。翌日には日本製をアピールする「MADE IN YONEZAWA」プロジェクトを開始した。さらに翌日には、米IBMが「x86サーバーを凌駕する」とうたうPOWERサーバー製品ラインアップを発表した。
2014年10月1日、米IBMはレノボによる「IBM x86サーバー事業の買収手続きの第一段階」の完了を発表した。主要国におけるIBMの事業クロージングはほぼ年内で完了する予定だとしている。
レノボが事業買収によって取得するのは、System x、BladeCenter、Flex Systemブレードサーバーおよびスイッチ、x86ベースのFlex統合システム、NeXtScaleおよびiDataPlexサーバーと関連ソフトウェア、保守業務などだ。
レノボの発表によると、「本取引の結果、レノボはグローバルで421億ドル規模のx86サーバー市場において第3位のプレーヤー」に躍進、製造コスト効率競争が進むx86サーバー市場での地位を高めた形だ。両社は事業売却の発表があった2014年1月の段階で、IBMが示しているx86サーバーのロードマップや保守サポートを継承するとしている。今後、x86サーバー事業はレノボのEnterprise Business Group配下に置かれ、IBMでx86サーバー事業を担当してきたアダリオ・サンチェス氏がEnterprise Systems担当シニアバイスプレジデントとして事業を継続する。この他、レノボではGoogleが持つMotorola Mobility買収も推進しており、PCだけでなくモバイルデバイスを含めたポジション確保を狙っているという。
これにより、IBM x86サーバーはレノボからのOEM供給になる。一方のレノボは、IBMが保有するストレージ製品「Storwize」やLTO(Linear Tape Open)製品、「IBM Smarter Cloud」やIBMストレージソリューションで使われる独自ファイルシステム「GPFS(General Parallel File System)」などの再販を手掛けるという。
グローバルでの動きを受け、日本国内でも2014年10月1日より、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズが営業を開始、同月2日には、NECレノボグループであるNECパーソナルコンピュータ 米沢事業場(米沢工場)においてユーザーニーズ調査と生産実現に向けた検証を行う「MADE IN YONEZAWA」プロジェクトをスタートさせた。今後6カ月以内を目標に、調査・検討を行い、x86サーバー生産の戦略・方針を決定するとしている。
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズによるMADE IN YONEZAWAプロジェクト発表のさらに翌日である2014年10月3日には、米IBMが新しいPOWERサーバー製品「IBM Power E870」「IBM Power E880」、サーバーリソース管理ツールである「Power Enterprise Pools」、「IBM Power Systems」製品ラインアップを発表。NVIDIA NVLinkなどを利用した処理高速化や組み合わせるストレージ性能により「x86サーバーよりも約20%優れた価格性能比(IBM社内評価による)」を誇ることを示した(Open PowerFoundationの活動およびその成果、POWER8の特徴については、「x86サーバーを売却するIBM、POWERは?」を参照)。
なお、「IBM Power Systems」製品ラインアップは、「IBM Data Engine for NoSQL」「IBM Data Engine for Analytics―Power Systems Edition」「Power Enterprise Systems」。いずれもOpen POWER Foundationに参加するアルテラやカノニカル、Redis Labsらの製品と自社サーバーおよびストレージ製品を組み合わせた構成になっている。
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