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Visual Studio 2015の新機能をRTM版で見てみよう特集:次期Visual Studioの全貌を探る(1/5 ページ)

Windows 10の登場と時を同じくして現れた最新バージョンのVisual Studioはどう変わったのか。その全体像を探っていこう。

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特集:次期Visual Studioの全貌を探る
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本記事は2014年12月8日に公開した「Visual Studio 2015の新機能をプレビュー版で見てみよう」をVisual Studio 2015 RTM版に合わせて改訂したものです。


 Visual Studio 2015(以降、VS 2015)が2015年7月20日に正式リリースされた(次の画像)。本稿では、VS 2015の新機能をできるだけ網羅しつつ、興味深い機能について簡単ではあるが紹介していきたい。

VS 2015リリース
VS 2015リリース
マイクロソフト開発部門担当副社長であるSomasegar氏によるVS 2015リリース発表の様子。
Channel 9の「Keynote: Visual Studio 2015 - Any app, Any developer」に掲載された動画より(1分23秒付近)。

iOS、Androidとのクロスプラットフォーム開発

 VS 2015では、クロスプラットフォーム開発が強化された。その多くは以前のVisual Studio 2013(以降、VS 2013)でも可能なことだったのだが、標準としてサポートされる意義は大きい。

 その主要な項目を列挙すると、次の通り。

 VS 2015のインストール時、最初の画面で[カスタム]を選んで進めると、クロスプラットフォーム開発用のツールをインストールできる(次の画像)。クロスプラットフォーム開発を試すつもりがあるなら、できるだけ全てインストールしておくのがよいだろう。

VS 2015のインストーラー(インストールする機能の選択画面)
VS 2015のインストーラー(インストールする機能の選択画面)
Xamarinのインストーラーや、Android SDK、Java SE開発キットなどをインストールできる。Hyper-Vが有効な環境では、後で紹介するAndroidのエミュレーターもインストール可能だ。ただし、クロスプラットフォーム開発用のオプションを全てONにすると、それだけで20Gbyte近くのディスクを消費するようである。

 VS 2015を立ち上げ、新しいプロジェクトを作成するダイアログを開くと、クロスプラットフォーム開発用のテンプレートも並んでいる(次の画像)。

VS 2015の[新しいプロジェクト]ダイアログ
VS 2015の[新しいプロジェクト]ダイアログ
ダイアログの右上にある検索ボックスを使って「Android」で検索すると、クロスプラットフォーム開発用のテンプレートが見つかる。Apache Cordova用のプロジェクト(JavaScriptTypeScript)、Visual C++ for Cross-Platform Mobile Development用のプロジェクト(C++)、Xamarin用プロジェクト(C#/F#)などが並ぶ。残念ながらVisual Basicではクロスプラットフォーム開発はできない。
この画像では[Blank App (Android)]プロジェクトテンプレートを選択しているが、これはAndroidアプリを作るXamarinのプロジェクトテンプレートだ。なお、Xamarinのプロジェクトをビルドするには、Xamarinのアカウントが必要である(「Starter」エディションまたは「Business」エディションのアカウント)。
同様にして「iOS」で検索すれば、iOS用のプロジェクトテンプレートが多数見つかる。ただし、残念ながらWindows単独では開発できず、Macの実機が必要である*1

 試しにAndroid用のXamarin(ザマリン)プロジェクト(上の画像の[Blank App (Android)]プロジェクトテンプレート)を選んでプロジェクトを作ってみると、次の画像のようになる。

Xamarinのプロジェクトを作成したところ
Xamarinのプロジェクトを作成したところ
コードの記述もできるし、IntelliSenseも働く。しかし、ビルドするには、前述したようにXamarinのアカウントが必要である。

 こうして作成したAndroidアプリをテスト/デバッグするために、VS 2015にはAndroidエミュレーターが搭載されている(次の画像)。

Visual Studio Emulator for Android
Visual Studio Emulator for Android
Windows Phone 8.xのエミュレーター同様、Hyper-Vを利用している。
画面の左に見えるように、複数の機種/バージョンが用意されている(デフォルトでは2機種)。

*1 iOS用アプリをWindows単独で作成できないのは、アップルのライセンス条件がMacの実機を必要とするものだからだという。Xamarinのサイトに、「iOS applications cannot be created without Apple’s compiler, and they cannot be deployed without Apple’s certificates and code-signing tools」という記述があり、その通りならばアップル社がコンパイラーやツール類をWindows用に提供してくれない限りはWindows単体でiOSアプリの開発はできない。


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