Visual Studio 2015の新機能をRTM版で見てみよう:特集:次期Visual Studioの全貌を探る(5/5 ページ)
Windows 10の登場と時を同じくして現れた最新バージョンのVisual Studioはどう変わったのか。その全体像を探っていこう。
クライアントアプリ開発の新機能
デスクトップアプリ開発の進化は止まったわけではない。Visual Studio 2015では次のような機能がWPFに提供された(一部のみ紹介)。
WPFの機能
- 複数画像のマウスカーソル
- 子ウィンドウの透明化
- タップ操作の改良
WPF開発ツール
- ライブビジュアルツリーとライブプロパティエクスプローラー(次の画像)
- タイムラインツール
WPFのライブビジュアルツリーとライブプロパティエクスプローラー
これはデバッグ実行中の画面である(中央上に赤い四角のボタン=デバッグ停止ボタンが使用可能な状態で表示されている)。
デバッグ中に実際のビジュアルツリーを表示し(左側)、コントロールのプロパティを変更できる(右側、赤枠内の2箇所はプロパティを変更したところ)。
詳しくは、「.NET TIPS:WPF:デバッグ中にUIコントロールのプロパティを変更するには?[Visual Studio 2015]」をご覧いただきたい。
Windows 10用のUWPアプリ(従来のWindowsランタイムアプリ/ストアアプリに相当)を開発するためのWindows SDK for Windows 10は、VS 2015のRTMには含まれず、9日ほど遅れて別にリリースされた。
UWPの機能
- 一つのソースでWindows 10ファミリーの複数デバイスに対応できる「ユニバーサルアプリ」
- WindowsランタイムAPIの再構築(共通部分+デバイスごとのエクステンションという形に再編成)
- APIの大幅な強化
- .NET Native採用(ストア側で再コンパイル)
UWP開発ツール
- ライブビジュアルツリーとライブプロパティエクスプローラー(WPFと同様)
- タイムラインツール(WPFと同様)
UWPアプリ開発について、詳しくは以下の特集記事をご覧いただきたい。
その他
以上の他にも、ALM関連の新機能(MSDN英語)や、コードマップの改良(MSDN日本語)など多くの進化がある。また、多くの不具合修正も行われている(Visual Studio 2015 fixed bugs and known issues)。
さらに関連してリリースされたものを挙げておくと、次のようなものがある。
- Visual Studio 2013 Update 5
- Azure SDK 2.7
- .NET Framework 4.6
- Team Explorer Everywhere 2015
- Visual Studio 2015 Tools for Unity (VSTU)
- C++ Extract Function(リファクタリング機能)
- Code Analysis for Azure(Azure上で実行されるコードの分析ツール)
- F# Tools 4.0
- Python Tools for Visual Studio
まとめ
VS 2015の新機能を駆け足で見てきたが、いかがだっただろうか。筆者にはオープンソース化とクロスプラットフォーム対応が大きな変化に思える。「モバイルファースト、クラウドファースト」時代の新しいVisual Studioを試してみてはいかがだろうか。
また、Visual Studioは定期的にアップデートがリリースされる(例えばVisual Studio 2013の最新アップデートは「Update 5」、つまりこれまでにアップデートが5回リリースされている)。使っていて改善してほしい点が見つかったときには、VS 2015をよりよいものにするためにも積極的にフィードバックをしていこう(次の画像)。
VS 2015でフィードバックを送る
タイトルバーにある黄色の笑顔マーク(赤丸内)をクリックすると表示されるメニュー(赤枠内)の上にある三つがフィードバックを送るためのものだ。
上の二つ([気に入った機能の報告]と[問題点、改善点の報告])は、フィードバック用のダイアログが出てくるので、フィードバックしたい内容を書いてボタンをクリックするだけでフィードバックできる。
上から三つ目のメニュー[その他のオプション]は、複雑な問題のときに使う(説明のためにソースコードやその他のファイルの添付が必要なときなど)。この画像にあるようにVisual StudioのConnectサイトが開くので、ページの記載に従ってバグの報告や質問を行う。
更新履歴
【2015/08/13】 VS 2015 RTMに合わせて内容を更新しました。
【2014/12/08】 初版公開。
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