エンジニアに「仕事を選ぶ楽しみ」を体験してもらいたい:仕事と家庭の両立、夢に向かった実績作り……
エンジニアがエンジニアとして活躍し続けるためには、継続的にスキルを積み、戦略的にキャリアを選択する必要がある。しかし、それを実現することは既存の雇用の枠組みでは難しい。仕事を「選ぶ自由」を得ることで将来への設計図を描く、そんな働き方を実現する方法の一つが「派遣」という形態だ。
読者の皆さんは「人材派遣」という働き方について、どのぐらいご存じだろうか。名前は聞いたことがあるが、その実態については実はあまりよく知らないという人も多いのではないだろうか。
簡単に説明すると、人材派遣には、労働者が派遣会社に登録し、仕事があるときだけ雇用契約を結び別の会社に派遣される「一般労働者派遣」と、派遣会社に常時雇用される労働者が別の会社に派遣される「特定労働者派遣」、そして派遣労働者として一定期間就業した後、双方合意があれば、派遣先に社員として入社する「紹介予定派遣」の3種類がある。一般に「人材派遣」という場合は、最初の一般労働者派遣を指すことが多い。
派遣というと事務や営業のイメージがあるが、昨今はエンジニアの派遣も増えているという。そこで、エンジニア派遣を数多く扱っているというリクルートスタッフィング 執行役員の田中智己氏にお話を伺った。
「ある」だけではなく「選ぶ」を提供したい
派遣エンジニアの特徴は何かと質問したところ、田中氏は真剣な表情でしばし考え、「本当に取り組んでみたい仕事に付ける可能性が高いこと」と答えてくれた。
田中氏がそう言うのには理由がある。それは「案件の数」だ。
リクルートスタッフィングが運営してるIT関連の派遣情報サイト「ITスタッフィング」には2015年3月現在、約2500件のIT関連の案件が掲載されている。もちろんその裏には、Webには非公開の案件もたくさんある。
「思うままに仕事を選べる楽しさ、そしてそれを満たした上で『次の仕事がある』という安心感を、登録スタッフに可能な限り提供していきたい。そのために、常に業界ナンバーワンの案件数を獲得するようにしています」と田中氏は言う。
田中氏の考えはこうだ。さまざまなスキルや経験を持つエンジニアが、希望のタイミングで希望のプロジェクトにジョインするためには、多数の案件を取りそろえておくことが必要不可欠だ。案件が多ければ、仕事が「ある」だけではなく「選ぶ」ことも可能になる。
もちろん、数が多ければよいわけではない
リクルートスタッフィングが目指すのは、日本国内の良質な案件を網羅すること。そのために70人の精鋭営業担当が、クライアントと毎月コンタクトを取り、状況の把握に力を入れているという。
「よほど大手のSIerでもない限り、70人もの営業担当を抱えているところはありません。その営業担当が、クライアントの担当者やPM(プロジェクトマネージャー)と密にコミュニケーションを図り、クライアント状況の把握に力を入れています」(田中氏)
派遣であれ、正社員であれ、エンジニアの仕事の多くは営業担当が取ってきたプロジェクトの受託だ。圧倒的な人数と行動力、そしてリクルートグループが培ってきた営業ノウハウを持つリクルートスタッフィングの営業担当が、マーケットやクライアントの情報を逐一キャッチし、たくさんの雇用を創出し続けてきたといっても過言ではないだろう。
未来が分かれば、可能性が広がる
エンジニアにとって、どのプロジェクトにどのポジションで従事するかはキャリア形成において大きな問題だ。しかし、これはタイミングに大きく左右される。どんなに良い案件が入ってきても、そのとき自分が動ける状態でなければ、指をくわえて見ているしかない。自分で次の案件を「選ぶ」ことなど適わぬ夢だ。
そんなエンジニアの悩みを解消するためにリクルートスタッフィングは、早期の業務ポジション把握を心掛けているという。
派遣エンジニアが今の契約を継続するか、終了して次のプロジェクトへ移るかを判断することは、契約満了の1カ月前までに行うのが一般的だ。しかし契約終了後に希望する案件があるかどうかが分からなければ、適切な判断を下せない。
しかし、もし今の契約終了後にスタートするプロジェクトがあらかじめ分かっていれば、こうした不安を解消できるはずだと同社は考えたのだ。
今後スタートするプロジェクトの情報を集めるためには、営業担当によるクライアントの担当者やPMとの関係構築が大きな決め手になる。
「わが社の営業担当たちは、大手SIerを中心とする主要クライアント100社全ての業務ポジションを把握することを心掛けています。どこにどんなPMがいるのか、そのPMはどんなプロジェクトにいつまで携わっているのか、といった情報を可能な限り把握し、そこから、PMが次にどんなプロジェクトを担当し、いつごろからどんなエンジニアが何人ぐらい必要になるのか、といった情報を引き出していきます」(田中氏)
近い将来の案件情報をどこよりも早く入手して業務ポジションを把握し、登録エンジニアに共有する。取り組み始めたばかりの試みでまだ100%の精度とはいえないが、PMには優れたエンジニアを早期に確保しておきたいという思いがあるので、良好な関係を構築している同社の営業担当に早い段階で相談してくれるようになってきたという。
キャリアの選択肢が広がる派遣という働き方
派遣に対するイメージというか思い込みに「本当は正社員になりたいのに、なれないから仕方なく派遣で働いているに違いない」というものがあるだろう。
田中氏は、そのイメージを否定する。「派遣という働き方には、積極的に選ぶだけの大きな魅力があります。それは、人生を豊かに組み立てられるということです。例えば時間的な制約があるものの仕事を続けたい方、そんな方も派遣ならば多様な働き方ができます」
ある女性は、派遣エンジニアとしてリクルートスタッフィングで働きながら産休・育休を取得し、育児中の現在は残業のない開発プロジェクトで活躍しているという。ライフステージに合わせた働き方を派遣で実現している好例だ。
夢を実現するために、派遣というスタイルを積極的に選ぶエンジニアもいる。
起業を目指す男性エンジニアは、PMO(Project Management Office:企業内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を専門に行う部門)のスキルを伸ばしたいと考え、派遣を積極的に活用しているそうだ。あえて短期のプロジェクトを選び、さまざまな経験を積みつつ、プライベートでは中小企業診断士の勉強もして、起業に向けた準備をしている。
エンジニアに「選ぶ」楽しみを
2015年3月、リクルートスタッフィングが運営する派遣エンジニア向け仕事情報サイト「ITスタッフィング」がリニューアルされた。ポイントは「案件数の多さ」そして「利便性」だ。質、量ともに充実した案件を取りそろえることは、同社が考える派遣エンジニアの幸せ――安定性、そして自由に仕事を選ぶために必須の要素だ。
「目標は業界No.1の案件数――すなわち、どの求人サイトよりも多い案件数を掲載すること」と田中氏は再度力強く決意を語る。
サイトの利便性に関しては、仕事紹介担当や営業担当、そして就業中のエンジニアたちにも協力してもらった。現場で使われる用語とサイトの用語のギャップを調整したり、検索性を上げたりして、より早く、より的確に、より要望に合致した案件を選べるようにリニューアルしたという。
「これまで派遣という働き方を考えたことのなかったエンジニアも、これを機会にITスタッフィングのサイトをご覧になってください。そして、もしご縁があれば、派遣という働き方を通じて、『仕事を選ぶ楽しみ』を体験していただきたいと思います。あなたの人生を豊かなものにするために、わが社が力になれるかもしれません」(田中氏)
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