DBアプリケーションを速くするハードウエア活用の最前線:Database Expertイベントリポート(2/3 ページ)
DBパフォーマンスを改善するハードウエア技術を紹介したイベントから、鍵となるテクノロジーをダイジェストで紹介する。
DBへの適用実績で見る「EMC XtremIO」の強み
EMCジャパン マーケティング本部 プリンシパルマーケティングプログラムマネージャ 若松信康氏は、「データベース環境を新定義する! オールフラッシュストレージのチカラ」と題したセッションで、EMCが提供するオールフラッシュストレージ製品「EMC XtremIO」の紹介を行った。
「EMCがオールフラッシュストレージ製品を初めて出したのは2013年末。どちらかというと後発にもかかわらず、1年間で2000台以上を出荷し、オールフラッシュアレイの世界市場において売上高No.1を誇る。また、そのうちの約4割がデータベース用途で採用されていることから、データベース高速化に極めて適していることが分かる」(若松氏)
同社の製品が多くの企業において、データベース用途で受け入れられている理由として、若松氏は「性能」「コスト」「開発」「運用」の四つの要素を挙げる。
性能に関して、EMC XtremIOは最大150万IOPS(I/O per Second)を発揮するとともに、チューニングレスで常に一貫したパフォーマンスを維持できる点が特徴だ。またコストについては、ストレージI/Oのボトルネックが解消されることでCPUの利用効率が向上するため、システム全体でCPUコア数を削減、ハードウエア/ソフトウエアコストを大幅にカットする効果が期待できるという。
またEMC XtremIOは、開発/テスト環境用のデータベースのコピーを、追加投資なしで即座に構築できるため、コスト負担なしでアジャイル開発を促進できる導入効果があるという。さらには、高度な機能を持った運用ツールを備えるため、運用監視を効率的に行えると同時に、プロビジョニングもツールのGUI画面から簡単に行えるようになっている。
なお同セッションでは、EMCジャパン システムエンジニアリング本部 システムエンジニア 三浦真氏が、EMC XtremIOを実際に稼働させてI/O待ち時間を大幅に減らす様子と、スナップショットを作成する操作の動画デモを披露し、同製品の機能とパフォーマンスの高さを強くアピールした。
デルが世界で最初に投入した「NVMe対応」PCIe直結型メモリストレージ搭載サーバー
デル サービス営業統括本部 コンサルティング部 シニア・ソリューション・アーキテクト 野上友和氏は、「ビッグデータ時代におけるデルの最先端データベースソリューション」と題したセッションで、デルが提供するフラッシュディスク関連のデータベースソリューションの紹介を行った。
同社ではSSDストレージ、PCIe直結型メモリストレージ、さらにはオールフラッシュアレイ製品である「オールフラッシュCompelent」まで、ユーザーのニーズに応じてさまざまなタイプのソリューションを用意しているが、特に近年大きな技術革新を果たしたのがPCIe直結型メモリストレージ製品。2014年9月に発表された第13世代サーバー製品からは、従来のAHCI規格に沿った製品に加え、最新規格である「NVMe」に対応したメモリストレージ製品が投入された(前回のリポートを参照)。
「デルは世界で初めてNVMe対応メモリストレージを製品に投入した。AHCI規格の製品と比べ、3〜4倍の性能を発揮する他、従来のPCIe対応メモリストレージの弱点でもあったメンテナンス性に関しても、サーバー筐体全面からホットプラグできるようにしたことで大幅に改善した」(野上氏)
また、PCIe直結型のもう一つの弱点と言われてきた可用性に関しても、「Windows Server 2012」の「ソフトウエアRAID」機能との組み合わせで、性能を劣化させることなく十分な可用性を確保できることを検証済みだという。
さらには、Microsoft SQL Server 2012の高可用性機能「AlwaysOn」との組み合わせ検証も行い、やはり高性能を維持しつつデータベースの可用性を高いレベルで担保できることを確認しているという。
デルでは、こうしたPCIe直結型メモリストレージやSSDをサーバーに搭載したアプライアンス製品に、アセスメントサービスや設計導入サービスをパッケージングしたソリューションを提供している。さらにこれらに、デルが提供するコンサルティングサービスを組み合わせることで、より多くの企業がフラッシュディスクの恩恵を低コストで確実に受けられるようになるとしている。
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