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FinTechへのアプローチを強化 Pivotalジャパン、日本IBMなど日本でもFinTechハッカソンが増える?

Pivotalジャパンや日本IBMなどが立て続けにFinTechへのアプローチ強化を発表。金融機関が持つシステムの現代化を支援し、自社の開発プラットフォームによるアプリケーション開発環境を提供する動きも活発になっている。

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 2015年9月30日、Pivotalジャパンはインテックと「日本市場におけるアジャイル開発、オープンPaaS(Pivotal Cloud Foundry)、ビッグデータ、データサイエンスの分野での戦略パートナーシップ」の締結に合意したことを発表した。

 このパートナーシップの一環として、Pivotal Labsを活用し「クラウドネイティブな次世代金融サービスアプリケーション」を共同開発するという。

 具体的には共同のスタートアッププロジェクトとして、既に地方の金融機関などでの導入実績があるインテックの「F3(エフキューブ)」のサービスを拡張し、「FinTech」と呼ばれる次世代金融サービスプラットフォームを共同で構築する。

 F3は金融機関向けに顧客管理、コンタクトセンター、ローン審査、アンチマネーローンダリング(AML)などのシステムをコンポーネント化して提供するソリューションで、90社以上の金融機関での採用実績がある。

 Pivotalジャパンでは、2015年末に東京都内に新たなアジャイル開発拠点「Pivotal Labs Tokyo」の開設を予定しており、インテックは、このPivotal Labs Tokyoの最初の協業パートナーとして、共同でサービス開発を進める予定。

 この発表に先立つ2015年9月14日には、日本IBMが金融機関向けの支援サービス「IBM FinTechプログラム」を開始していた。

 従来、金融機関のシステム開発ではウオーターフォール型の重厚長大な手法が主流であったが、HTTPを介したAPIアクセスを駆使して柔軟なサービスを構築するFinTechでは、アジャイル的な開発手法や、ハッカソンのようなオープンなアイデアの取り込みによる裾野の広がりも重要となる。

 このため、金融機関側では「APIバンキング」のための仕組みが用意されている必要がある。日本IBMではFinTechプログラムの参加組織に海外での「APIバンキング」の知見を提供し、各金融機関の既存システムにおけるAPI構築を支援する。また、開発向けにはIBMのPaaS「Bluemix」上で開発環境を提供する。金融機関の勘定系システムとPaaSとの接続は日本IBMがセキュリティを担保する。


IBM FinTechプログラムのサービスイメージ(日本IBM クラウド事業統括 Rasmus Ekman氏がSlideShareに公開した資料より)

 FinTechに参加してサービス開発に参入する企業向けには、「IBM BlueHub」や「IBM エコシステム・デベロップメント」提供プログラムなどを活用し、企業の成長支援もIBMがサポート、金融機関に向けてはFinTech活用企業の視察ツアーなども企画するという。

 この他にも、電通国際情報サービス(ISID)が2015年9月10日にFinTechベンチャーへの投資を発表するなど、ITベンダーのFinTech参入が日本国内でも活性化している。

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