高知編:仕事はあるの? 給料は?――はちきん娘が統計情報から読み解く高知暮らしの実情:ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(1)(2/4 ページ)
都会から地方にU/IターンしたIT関係者が地方での生活の実情や所感などをセキララに伝えていく本連載。まずは高知にUターンしたはちきん娘(土佐弁で男勝りでハツラツとした女性)が高知編をお届けする。高知をはじめたとした地方への移住を検討するエンジニアの参考になれば幸いだ。
不安その1:仕事はあるの?
地方への移住を考える人が最初に思い浮かべるのは「求人数はどのぐらいあるのか」「どんな仕事があるのか」「面白い仕事はあるのか」などの、仕事に関することではないでしょうか。
求人数はどのくらい?
では早速、ハローワークで検索してみましょう。勤務地「高知県」、産業「情報通信業」フリーワード「エンジニア」検索してみたところ、13件ヒットしました(2015年11月11日現在)。正直、あまり多くはありませんね。
視点を変えて、高知県庁の移住促進課が運営するWebサイトの「ピックアップ求人情報」を見てみましょう。私が勤めるNextremerのエンジニア募集の他に、ゲームソフトの品質保証やカスタマーサポートなどの求人もありました(2015年11月13日現在)。
面白い仕事はある?
では、別の角度から見てみましょう。仕事の「質」はどうでしょうか? 都会と同じぐらい面白い仕事はあるのでしょうか。
高知県は、徳島県や島根県と同じく、企業への誘致活動を積極的に行い、限界集落地域などに積極的に人を集めています。
高知県庁が運営する「高知家のシェアオフィス」を見ると、かつてはなかったようなIT企業が集まっていることが分かります。同サイトで紹介されている、高知に拠点を持つIT系企業を幾つか紹介しましょう。
飲食店求人サイト運営、採用活動・就転職活動を支援する人材紹介や求人広告を展開する会社。農家と飲食店をダイレクトに結ぶ農作物のB2Bプラットフォームサービス事業を構想しており、高知県を中心とした四国四県の農家向けに仕入れを展開していく予定。
企業向けソフトウエアなどの開発を行っているシステム開発会社。高知では、自社開発のWebアプリ、スマホ/タブレットアプリの開発などを行っています。将来的には、高知県や土佐町と協力して、地元の学生を対象としたITスクールを開催していく予定とのこと。
健康・医療業界系向け求人サイト運営、プロモーション支援、サービスを展開するマーケティング会社。高知では、自社サービス、スマートフォン向けアプリの開発、Web制作、Web広告システム開発などを行っているそうです。
結論 求人数は少ないけれど、面白いことをしている会社は多い
ハローワークなどの数字だけを見ると、就業機会の少なさに愕然(がくぜん)としてしまうかもしれません。
しかし前述の通り、少しずつではありますが地方にも企業拠点が増えつつあります。2015年夏には(エンジニア職ではありませんが)、Yahoo! Japanも高知県にカスタマーサービス対応の拠点を設けて求人を出していました。
長い目で今後の地方移住を検討されているエンジニアの方は、地元の求人だけでなくこういった地方に拠点を置いている/これから置く企業にも目を向けてみると選択肢が広がるかもしれません。
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