AWSのDocker管理サービス、Amazon EC2 Container Serviceの概要と使い方:Docker運用管理製品/サービス大全(5)(3/4 ページ)
数多く台頭しているDockerの運用管理に関する製品/サービスの特長、使い方を徹底解説する特集。今回は、AWSが提供するECSの概要や主な機能、環境構築方法、オーケストレーション設定やスケーリングを行う手順など使い方などについて。
ECSで使用しているDockerイメージが更新された場合の対応手順
Container instanceで動いているTaskがバージョンアップした場合の対応手順を解説します。
まずは、Dockerイメージのバージョンを「latest」から「latest_ver2」に更新します。
次に、ECS上の「Task Defenition」から「HTTPCon」を選択し「Create new revision」をクリックします。
「Image」(Task定義のバージョン)を「{ユーザー名}/docker-repo:latest_ver2」に変更し、設定します。
新しいRivisionのTask定義を作成します。
「Clusters」の「Services」タブで「Update」をクリックします。
「Task Definition」で先ほど作成した新しいRivision「HTTPCon3」を選択し「Update Service」をクリックします。
Container instanceのリソースに余裕がある場合は自動でTaskのアップデートが行われます。リソースに余裕があるかどうかの判定は下記の3点に関して行われます。
- Portが利用可能かどうか
- 使用可能なメモリがあるか(t2.microでは1Container instanceのメモリは1024MB。Container instance上のTaskの使用合計が1024MB内に収まればTaskの自動アップデートが可能)
- 使用可能なCPUがあるか(t2.microではContainer instanceのCPUは1024Unit。Container instance上のTaskの使用合計1024Unit以内に収まればTaskの自動アップデートが可能)
しばらくすると自動でコンテナーが更新されるので、「Task」タブでTask Definitionが最新であることを確認します。
ブラウザーでアクセスし、HTMLの内容が更新されていることを確認します。
ECSのオーケストレーション設定
ECSを使用してコンテナーを作成した場合は自動で下記の設定が行われます。
VPC
「10.0.0.0」でVPCが作成されます。
サブネット
アベイラビリティゾーン「ap-northeast-1a」「ap-northeast-1c」に、それぞれ「10.0.0.0」でサブネットが作成されます。
ルートテーブル
ルートテーブルが作成されインターネットゲートウェイへのルートが設定されます。
インターネットゲートウェイ
インターネットゲートウェイが作成されVPCにアタッチされます。
セキュリティグループ
VPCに対応するセキュリティグループが作成されます。
EC2インスタンス
Dockerコンテナーが動作するEC2インスタンスを作成されます。
ロードバランサー
コンテナーに対するリクエストのためのロードバランサーが作成されます。
Auto Scaling
起動設定とAuto Scalingグループが作成されます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 所要時間わずか10分で「Docker」を体験しよう――Azureで始めるDocker入門
2014年から急速に注目度が増しているコンテナー型仮想化技術「Docker」。すでに多くのLinuxで利用可能な技術ですが、次期Windows Serverでもサポートされる予定です。Dockerとはどのようなものなのか、一度、実際に触って体験してみてはいかがでしょうか。 - Linux/OSSに不慣れでも大丈夫! WindowsでDockerを扱う際のポイント
本連載第31回は「Azureで始めるDocker入門」を掲載しました。掲載後、すぐに「Docker 1.6」がリリースされたので、意図したわけではありませんが、タイムリーな記事になったと思います。今回は、その記事でも紹介した「Docker Client for Windows」をフォローアップします。 - Docker代替のコンテナーランタイム「Rocket」をCoreOSが公開
CoreOSがDocker代替のシンプルなコンテナーランタイムを公開。Dockerの当初の目的であるシンプルなコンテナーを目指すプロトタイプだ。 - Docker、そしてCloud FoundryとPaaSの価値とは
Docker人気を踏まえたとき、Cloud Foundryはどのように位置付けられるのか。PaaSの最終的な価値とは何なのか。AWSとの競合とは。Cloud Foundryの責任者である米PivotalのJames Watters氏に聞いた。 - レッドハットが発表したOpenShift Enterprise 3は「Dockerを知らなくても使える」基盤
レッドハットが2015年7月22日に国内発表したPaaS製品「OpenShift Enterprise 3」の最大の狙いは、Dockerを知らなくてもアプリケーションの開発・運用ができるようにすることだという。ここでは、レッドハットの日本法人の説明に基づき、OpenShift Enterprise 3を紹介する。 - 米グーグルのDockerコンテナ管理サービスが一般提供開始
米グーグルがGoogle Cloud Platform上で提供しているDockerコンテナオーケストレーション/管理サービス、Google Container Engineが2015年8月26日、ベータ段階を終了、一般提供が開始された。毎週20億以上のコンテナを立ち上げているグーグルの経験に基づくサービスだとしている。