「LINE」に「Webカメラ」、のぞき見られた1月:セキュリティクラスタ まとめのまとめ 2016年1月版(3/3 ページ)
世間では「不倫騒動」でも、セキュリティクラスタにとっては「情報漏えい事件」なのでした。そして突然再燃した「Webカメラのぞき見問題」に、連続する「アノニマスのDDoS攻撃」。年明けから騒がしかった2016年1月のセキュリティクラスタを振り返ります。
「OpKillingBay」で日本の多数のWebサイトが派手に攻撃される
2015年の秋にアノニマスがISを攻撃した際には日本でも称賛の声がありましたが、アノニマスはISを攻撃する前から、日本の捕鯨やイルカ漁に対して抗議するという名目のオペレーション「OpKillingBay」を行っています。
2016年1月にはその「OpKillingBay」が勢いを増して、官公庁や大企業のWebサイトなど、多数のサイトに対してDDoS攻撃が行われました。当初は、捕鯨に関連する地方自治体や水族館などへの攻撃が行われていたのですが、1月にはそれに加えて、かなりの連想を経なければクジラやイルカに結び付かないような組織にまで攻撃が広がっています。
例えば、1月12日から日産自動車への攻撃が行われました。アノニマス関連のツイートによると、これもオペレーションの一環だったようです。これを端緒として、捕鯨やイルカ漁とあまり関係ない組織への攻撃が加速したようです。
そして、2016年1月18日には金融庁、22日からは成田国際空港、25日には厚生労働省、27日には東京国際空港(羽田空港)、中部国際空港、そして警察庁や国家公安委員会など多数のWebサイトが攻撃を受け、接続が不安定になったり、閲覧できない状態になったりしました。
また、クジラを扱っていると勘違いされ攻撃された会社もあったようです。
日頃セキュリティとあまり関係ない官公庁や空港の公式サイトのことが話題となることは少ないのですが、これをきっかけに、官公庁のサイトの生死確認をするセキュリティクラスタの人も増えたようです(参考リンク)。
この他にも、2016年1月のセキュリティクラスタは以下のような話題で盛り上がっていました。2月はどのようなことが起きるのでしょうね。
- Microsoftのポリシー変更で、OSがサポートする最新のInternet Explorerだけがサポート対象になる
- BINDにまたまた脆弱(ぜいじゃく)性
- OpenSSLにまたまた脆弱性
- サイバーセキュリティ月間開始。「攻殻機動隊」とコラボ
- トレンドマイクロの「パスワードマネージャー」にパスワードが全部盗まれる脆弱性
- セキュリティ会社がハッキングされて情報を盗まれ脅される
- 「SECCON 2015 Final」開催される
著者プロフィル
山本洋介山
猫と一緒に自宅の警備をする傍ら、「twitterセキュリティネタまとめ」というブログを日々更新しているtwitterウォッチャー。セキュリティやネットワークに関する原稿も書いています。
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