AWSがゲーム開発者向けのバックエンドサービスと開発環境を発表:3Dゲームエンジンとマルチプレーヤーゲーム向けマネージドサービス
AWSは無料の3Dゲームエンジン兼開発環境と、マルチプレーヤーゲーム向けマネージドサービスを提供開始した。
米Amazon Web Services(AWS)は2016年2月9日(米国時間)、無料のクロスプラットフォーム3Dゲームエンジン兼開発環境「Amazon Lumberyard」と、セッションベースのマルチプレーヤーゲームの展開、運用、スケーリングが可能な新しいマネージドサービス「Amazon GameLift」を発表した。
Lumberyardでは高品質ゲームの開発や、ゲームにおけるAWSクラウドの膨大なコンピュートおよびストレージリソースの利用、アマゾンドットコムのゲームプレイライブ配信サービス「Twitch」を利用したファンコミュニティー構築が可能。C++や「Visual Studio」を使った従来の方法でゲームをプログラミングできる他、 「Flow Graph」「Cloud Canvas」など機能でビジュアルスクリプティングを利用してクラウド接続型ゲームを開発することもできる。
Flow Graphは、コードの記述や変更を一切行わずに複雑なゲームロジックを実装でき、操作も覚えやすい現代的なビジュアルスクリプティングシステム。構築済みノードのライブラリを使って、ゲームプレイのセットアップ、サウンドのコントロール、効果の管理ができる。 Cloud Canvasは、各種AWSサービスを生かした通信機能(ゲーム内メッセージ、リーダーボード、通知など)を開発するためのビジュアルスクリプティングインタフェース。
一方、新サービスのGameLiftは、「マルチプレーヤーゲームのバックエンド構築にかかる時間を数千時間から数分に短縮する」という。開発者は、ゲームサーバイメージをアップロードしてEC2インスタンスにデプロイするだけで利用できる。ユーザー数に応じて自動的に伸縮する。利用に際しては、EC2やEBSなどのリソースの利用料金とアクティブユーザー数、ユーザーの通信データ量に対して課金される。
AWSは、「GameLiftにより、Lumberyardを使用する開発者はエンジニアリングの労力や初期コストを掛けずに、プレーヤーの要求に対応してハイパフォーマンスゲームサーバのスケールアップやスケールダウンを迅速に行える」と述べている。
Amazon Lumberyardは、PCおよびゲーム機用ゲームの開発者向けにβ版のダウンロード配布が開始されている。モバイルおよびVR(仮想現実)プラットフォーム向けバージョンのβ版も近くリリースされる。Lumberyardはソースコードを含めて無料だが、開発者が併用するAWSサービスについては通常の料金が掛かる。
Amazon GameLiftは、AWSのUS East(北バージニア)リージョンとUS West(オレゴン)リージョンで提供開始されている。他のリージョンでも近く提供される。利用料金は1000 DAU(日間アクティブユーザー)当たり1.50ドルと、併用されるAWSサービスの通常の料金。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ゲーム開発者以外も最低限知っておきたいUnityの基礎知識&無料版Unityのインストールチュートリアルと画面構成
Unityで3Dゲームを作るまでのいろいろな処理を解説する連載。初回はUnityの特徴を紹介し、開発環境の構築手順や画面の見方を一から解説する【Windows 10、Unity 5.4に対応】。 - ディープだが覚えておきたいUnityゲーム開発の小テク16選まとめ
2015年2月24日、「日本Androidの会 Unity部」の主催による「Visual Studio Tools for Unity」の勉強会が開催された。日本マイクロソフトのエバンジェリストによるVSTUの紹介やQ&Aに加え、UnityやVisual Studioを使いこなすプロのゲーム開発者によるライトニングトークも行われ、盛り上がりを見せた。 - ARに使えるOpenCVで作る画像認識Androidアプリ