Zabbix 3.0はクラウド運用監視の安全性を強化:管理UIも刷新
オープンソースのシステム運用監視ソフトウェアの最新版「Zabbix 3.0」がリリースされた。通信を暗号化したことで、インターネット越しの監視を安全に行えるようになった。
ラトビアのZabbixは2016年2月16日、オープンソースのシステム運用監視ソフトウェアの最新版「Zabbix 3.0」を公開した。通信の暗号化や予測検知機能の実装など、100項目以上の改善を施したという。
Zabbixはサーバやネットワーク機器などを監視するためのソフトウェア。幅広いアーキテクチャに対応しており、数十万点に上る機器の状態や性能などを監視できる。GPL(GNU General Public License)のオープンソースソフトウェアとして配付されているため、商用/非商用にかかわらず、無償で利用できる。
Zabbixは、Zabbixサーバ、Zabbixプロキシ、Zabbixエージェントの3つのモジュールに分かれており、各モジュールが通信することで監視を行うが、Zabbix3.0ではこれらの通信内容を暗号化した。これにより、ローカル環境とクラウド環境を横断的に一元監視する場合でも、安全に監視データを通信できる。
新たに実装した予測検知機能は、障害の発生を予測して警告を発するもの。例えば、ストレージ機器の使用量を監視して、その増加速度を分析し、空き容量がなくなる時期を予測する。空き容量の推移をグラフ表示する他、あらかじめ指定した容量を下回ったときに通知することで重要な問題を予防できる。
Zabbix 3.0ではWeb管理画面のデザインも一新した。作成したグラフやスクリーンなどを複数のユーザーで共有したり、ダッシュボードからトリガーのイベント情報を表示したりできる。
Zabbix 3.0は同社のWebサイトからダウンロードできる他、Red Hat Enterprise Linux/Cent OS/Oracle Linux向け(RPMパッケージ)、Debian向け(debパッケージまたはtarボール)、Ubuntu向け(debパッケージ)の3つのパッケージも用意されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- あなたの運用管理が十分にうまくいかないワケ
この連載では、オープンソースの運用監視ソフトウェア「ZABBIX」ではどんなことができるのかを、実際の使い方とともに紹介していきます(編集部) - 徹底比較! 運用監視を自動化するオープンソースソフトウェア10製品の特徴、メリット・デメリットをひとまとめ
運用自動化のポイントを深掘りする本特集。今回は「個々の作業項目の自動化」に焦点を当て、「Zabbix」「JobScheduler」「Sensu」など、運用・監視系の主要OSS、10種類の特徴、使い方などを徹底解説する。 - 初めての運用管理者が知っておきたい監視・ジョブ管理向けOSS構成例4つの比較まとめ
システム運用の上で重要な「監視」と「ジョブ管理」について、効率的な実現方法を解説。