クラウド型障害復旧サービス「Azure Site Recovery」に、3つのAzureストレージ新機能:高度なレプリケーションと自動暗号化/復号をサポート
マイクロソフトのクラウド型障害復旧サービス「Azure Site Recovery」に、3つの新たなAzureストレージ機能が追加された。
米マイクロソフトは2016年5月23日(米国時間)、「Azure Site Recovery(ASR)」のアップグレードの一環として、3つの新しいAzureストレージ機能をサポートしたとMicrosoft Azureブログで発表した。
ASRはクラウドベースの障害復旧サービス。オンプレミスおよびクラウドインフラの管理と保護に役立つクラウドベースのIT管理ソリューション「Microsoft Operations Management Suite (OMS)」の構成要素の1つでもある。
新たにサポートされたAzureストレージ機能は以下の通り。
- VMware仮想マシン/物理サーバのPremium Storageへのレプリケーション
- Resource Managerで作成されたストレージアカウントで利用可能なAzure Storage Service Encryption(保存中のデータの暗号化:プレビュー段階)
- ローカル冗長ストレージ(LRS)アカウントへのレプリケーション
「Premium Storageへのレプリケーション」機能におけるPremium Storageは、Azure仮想マシン(VM)ワークロード向けの高パフォーマンスストレージ。Premium Storageを使用すると、アプリケーションはVM当たり8万 IOPS(1秒当たりの入力/出力操作)と、VM当たり2000MB/秒のディスクスループットを実現するとし、読み取り操作の待ち時間も短縮されるという。このためマイクロソフトは、I/O負荷の高いワークロードをオンプレミスで実行しているならば、それらのワークロードを効率の高いPremium Storageにレプリケートすることを勧めている。
また、「Azure Storage Service Encryption(SSE)」機能は、企業がセキュリティやコンプライアンスの取り組みの一環としてデータを保護するのに役立つ。SSEは、ストレージへの保存の直前にデータを暗号化し、データが取り出される直前に複合する仕組みで機能する。ASRでSSEがサポートされたことで、SSEが有効化されたストレージアカウントにワークロードをレプリケートすることが可能になった。
「ローカル冗長ストレージ(LRS)アカウントへのレプリケーション」機能におけるLRSでは、ストレージアカウントが作成されたリージョン内のデータがレプリケートされる。持続性を最大限まで高めるため、ストレージアカウント内のデータに対して行われた全ての要求が3回レプリケートされる。これら3つのコピーは、それぞれ別個の障害ドメイン(停止ドメイン)とアップグレードドメインに存在する。
データがセカンダリリージョンにレプリケートされるgeo冗長ストレージ(GRS)と比べて、「LRSの方が経済的で、スループットも高い」とマイクロソフトは述べている。
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