オラクル、DBaaSを中核に19種類の新たなサービスによるPaaS強化を発表:ベアメタルやアジャイルな開発者向けサービスも
米オラクルは「Oracle OpenWorld 2016」で、「Oracle Cloud Platform」に新たなIaaSを加えると発表。さらに、PaaSも強化し、「Oracle Database 12c R2」を利用したDBaaSをPaaSの中核に置くことを明らかにした。
米オラクルは2016年9月20日(米国時間)、米サンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld 2016」で、パブリッククラウドサービス「Oracle Cloud Platform」に新たなIaaS(Infrastructure as a Service)として「Oracle Bare Metal Cloud Services」を追加することを発表した。
さらに、既にサービスを提供しているPaaS(Platform as a Service)も強化し、同日発表した「Oracle Database 12c R2」を利用したDBaaS(Database as a Service)をPaaSの中核に置くことも明らかにした。Oracle Cloud Platformは、企業ユーザーが求めるIaaSやPaaS、SaaSにまたがる統合型クラウドサービスとして提供するとしている。
新たに追加されたOracle Bare Metal Cloud Servicesは、ベアメタルサーバと仮想化されたネットワーク環境を提供する。ネットワークブロックストレージやオブジェクトストレージ、VPN(Virtual Private Network)接続に加えて、データベースもサービスとして提供する。さらに、仮想クラウドネットワーク(VCN)も用意されており、ユーザーは自社のオンプレミスシステムを拡張する目的にも、Oracle Bare Metal Cloud Servicesを利用することができる。
また、IaaSで提供されるシステムは、業界最高の処理性能を備えたサーバと、業界最高のI/O性能を持ったストレージ/サーバで構成されるという。その結果、他社のIaaSに比べて低価格で10倍のスループットやIOPS(I/O per Second)が得られると主張する。
Oracle Bare Metal Cloud Servicesは、完全に独立した領域に分けられた3つのリージョンで構成される。そのため、オラクルでは、高可用性と高耐久性を備えたアプリケーションをクラウド内に構築できるとしている。また、既存のOracle Cloud Platformとの相互運用も可能であり、「Oracle Cloud」上で利用可能なサービスのメリットを生かして基幹業務アプリケーションを構築できるという。
一方、PaaSに関しては、「Oracle Container Cloud Service」「Oracle Identity Cloud Service」「Oracle Internet of Things Cloud Service」「Oracle Big Data Cloud Services」「Oracle Analytics Cloud Services」など、19種類の新たなクラウドサービスを提供する。クラウドでのデータベース開発や移動、管理、接続を容易にする一連のサービスを提供することも発表した。
例えば、「Oracle Application Container Cloud Service」は、Node.jsやJavaに加えて、PHPにも対応。「Oracle Cloud Stack Manager」を利用することで、複数のPaaSで構成するアプリケーションを単一ユニットとして作成、拡張、管理できるようになる。
また、「Oracle AppToCloud」を使えば、Java EEアプリケーションを自動的にクラウドに移行できるようになる。同時に、アクティブ/スタンバイなどの機能を追加して、クラウドにアプリケーションを移行する際、クラスタの規模を拡張できる。
コーディングスキルを持たないユーザー向けに、アプリケーションをWebブラウザ上で作成する「Oracle Application Builder Cloud Service」を用意。オラクルのSaaS APIや、共通REST APIカタログからのカスタムサービスを利用してサービスを拡張できる。
「Oracle Developer Cloud Service」は、発者間のコラボレーションを容易にするツール。Slack、HipChat、HashiCorpのPacker、Terraformなどのコラボレーションツールを統合し、スプリント、タスク、バックログの管理のためのアジャイルな管理機能を提供する。
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