デジタルトランスフォーメーションで変わる、データ管理の在り方:デジタル時代の「価値を生み出す」データ管理(1)(3/4 ページ)
半ばバズワードのようになっている「デジタルトランスフォーメーション」という言葉だが、このトレンドが、ビジネスの在り方、それを支えるシステムとデータ管理の在り方に変革を求めていることは間違いない。では具体的にどのような変革が必要なのか? 本連載ではデジタルトランスフォーメーション時代に即したデータ管理法を具体的に掘り下げていく。
デジタルビジネス時代に求められるデータ管理とは
さて、以上で「デジタルトランスフォーメーション」が意味するもの、「デジタルビジネス」のゴール、その実践のポイントはおよそ振り返れたのではないだろうか。
大まかにまとめるなら、「新たなユーザー体験価値を届けるために、目的意識と主体性を持って各種テクノロジーを選定・活用する」ことといえるだろう。それはデータ管理の在り方にもそのまま当てはまる。「どうするべきか」ではなく「どうしたいか?」という「主体性」と、「何のために」という「目的」をしっかりと持つことが重要になる。
デジタルビジネスのデータ管理の全体像を俯瞰してみよう。
データ活用の目的の決定
まずは「データ活用の目的」をしっかりと検討しよう。「どのようなビジネスの課題を解決したいか?」「どのような施策の材料にしたいか?」などである。
この目的は、ユーザー視点で考えることが重要である。繰り返しになるが、データ活用は「優れたユーザー体験のため」であるからだ
データ活用のサイクル
目的を決めた後、「どのような分析を実施するか?」を具体化したものがデータ活用のサイクルである。
「III. 予測/意思決定/施策実施」→「II. 分析/可視化」→「I. 収集/蓄積/共有」といった順――すなわち、「何に役立てたいのか」→「そのために必要な分析・可視化はどのようなものか」→「そのために、どのようなデータを、どのように収集・蓄積・共有するか」といった具合に、やはり「目的」起点で検討する。「I. 収集/蓄積/共有」を検討する際は、既存データや必要になるデータの調査を行い、前述のような外部データの活用も視野に入れる。
一般に、「I. 収集/蓄積/共有」は情報システム部門が担当し、「II. 分析/可視化」 と「III. 予測/意思決定/施策実施」はビジネス部門が担当することになる。
なお、このデータ活用サイクルを成功させるためには、情報システム部門とビジネス部門の協力が必要だが、それには経営部門のコミットが不可欠であることは言うまでもない。情報システム部門で閉じていては、成功は成し遂げられないためだ。
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