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利用広がるTensorFlow、バージョン1.0がリリース:大幅な高速化を達成
米グーグルは2017年2月15日(現地時間)、オープンソースの機械学習ライブラリ「TensorFlow」のバージョン1.0を発表した。
米グーグルは2017年2月15日(現地時間)、オープンソースの機械学習ライブラリ「TensorFlow」のバージョン1.0を発表した。
TensorFlowは、オープンソース化から1年が経過したが、その利用は大きな広がりを見せているという。
グーグルは、TensorFlowを用いてGoogle翻訳を改善、社内プロジェクトのProject Magentaでは、メロディを生み出す強化学習モデルを開発中という。DeepMindは全ての研究開発にTensorFlowを使用することを決定しており、例えば生音源から音声や音楽を生成するモデルを開発したという。
他に、このブログポストは次の例を挙げている。
- オーストラリアの海洋生物学者は、TensorFlowを使用して、数万枚の高解像度画像からウミウシを特定し、絶滅の危機にさらされている種の生態についての理解を高めようとしている
- 日本のキュウリ農家は、TensorFlowのモデルに基づき、サイズ、形などの尺度でキュウリを分類
- 放射線医師が、スキャン画像からパーキンソン病の徴候を特定する取り組みをしている
- 米国のデータサイエンティストが、TensorFlowとRaspberry Piを使い、カリフォルニア州の鉄道路線であるCaltrainを追跡
このブログポストによると、TensorFlow 1.0では処理の大幅な高速化が実現するとともに、ハイレベルAPIを実装。また、Python APIの安定性向上により、新しい機能を簡単に取り込めるようになったという。
高速化については、例えば画像認識モデルInception v3で64 GPUを使った分散トレーニングを実施した場合、58倍のスピードアップを実現しているという。
その他の新しいポイントとして、ブログポストは次の点を挙げている。
- Python APIのNumPyとの近似性の向上
- JavaおよびGoのための実験的API
- より高いレベルのAPIモジュールとしてtf.layers、tf.metrics、tf.lossesを提供
- TensorFlowグラフ用のドメイン固有コンパイラ、XLAの実験的リリース
- TensorFlowデバッガ(tfdbg)の提供
- Python 3のDockerイメージ追加によるインストール改善
- Androidにおけるオブジェクト検出、ローカリゼーションなどのデモ
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