米Docker、DockerConでMoby ProjectとLinuxKitを発表:LinuxKitは壇上でオープンソース化
米Dockerは2017年4月18日(米国時間)、同社のイベント「DockerCon 2017」で、新たなオープンソースプロジェクト「Moby Project」を発表。一方で軽量Linux構築ツールキット「LinuxKit」をオープンソース化した。
米Dockerは2017年4月18日(米国時間)、同社のイベント「DockerCon 2017」で、新たなオープンソースプロジェクト「Moby Project」を発表。一方で軽量Linux構築ツールキット「LinuxKit」をオープンソース化した。
Moby Projectは、Dockerがこれまで開発してきた80以上のコンテナ関連ソフトウェアコンポーネントを取捨選択し、他のコンポーネントとレゴのように組み合わせて、カスタムのコンテナシステムを作り上げられる環境を提供するオープンソースプロジェクト。
「開発者はDockerや他のコンテナプラットフォームを使ってくれればいい、Mobyはプラットフォームを構築したい人、高度にカスタマイズしたい人を助けるためのもの」とDocker CTOのソロモン・ハイクス(Solomon Hykes)氏は話した。同氏の説明によると、コンテナは2017〜2018年にかけて導入件数が数百万件にも達し、メインストリームになる。コンテナの世界の成熟に伴い、ヘルスケアなど、特定の分野や用途に特化する人々が多数参加してくる。こうした人々のニーズに応え、さらに新たなイノベーションの場となるのが、Mobyプロジェクトだという。
具体的には、次の要素で構成されるという。
- コンテナ化されたバックエンドコンポーネント(ローレベルビルダー、ロギング、ボリューム管理、ネットワーキング、イメージ管理、containerd、SwarmKitなど)
- コンポーネントを、独立して動作するコンテナプラットフォームに組み上げるためのフレームワークと、構築、テスト、デプロイメントのためのツール
- 参照実装
DockerConの基調講演では、Mobyによって作成できるカスタムコンテナシステムとして、次のような例を説明した。
- InfraKit、後述の軽量Linux OSであるLinuxKit、containerd、Notary、Docker Builder、Docker RegistryにJenkins、InfluxDB、Grafanaなどを組み合わせたCI/CDスタック
- このCI/CDスタックでInfraKitとLinuxKitをTerraformと Debianに入れ替えたもの
- LinuxKit、containerdとRedisをまとめ上げたデータベースインスタンス
- HyperKit、LinuxKitにKubernetes、etcdなどを組み合わせた、Mac上で動くKubernetesシステム
Moby Projectは、Fedora Projectにヒントを得た、オープンなガバナンスモデルで運用される。
一方、LinuxKitはDockerが約1年前から、マイクロソフト、IBM、HPE、インテル、ARMなどと協力して開発を進めてきたもの。コンテナランタイムの動作に必要なコンポーネントだけを備えた軽量でセキュリティの高いLinuxサブシステムを構築するためのツールだという。全てのシステムサービスはコンテナ化されており、入れ替えたり、不要なものを取り除いたりできるという。
ハイクス氏はLinuxKitを、基調講演の壇上でGitHubに公開、オープンソース化した。
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