ウェアラブル機器市場、2021年までに2017年比約2倍の2億4000万台規模に成長 IDCが予測:ただし日本市場は「圧倒的に小さい」ことが懸念
IDC Japanが、2021年までのウェアラブル機器出荷台数予測を発表。世界市場では2021年までに、2017年の約2倍となる2億4010万台規模まで成長すると見込まれ、好調なペースで市場が拡大すると予測した。一方の日本市場は「市場が圧倒的に小さい状況が続く」ことが懸念される。
IDC Japanは2017年7月3日、ウェアラブル機器を対象にした2021年までの世界/国内出荷台数予測を発表した。2017年には全世界で1億2550万台、2021年には2億4010万台に拡大すると予測。一方の日本市場では、2021年に135万台の出荷が見込まれ、中でも腕時計型が市場の半数を占めると予測される。
2017年は、腕時計型とリストバンド型が市場のほとんどを占める。腕時計型は7140万台で、市場占有率は56.9%。リストバンド型は4760万台で、同37.9%。その他、靴・衣類内蔵型や耳掛け型などもあるが規模は小さく、それぞれ同2.6%(330万台)と同1.3%(160万台)となっている。
対して2021年には、腕時計型と靴・衣類内蔵型が伸びる。腕時計型は1億6100万台(市場占有率:67%)まで拡大。靴・衣類内蔵型も2160万台(同9%)と、2017年比で約7倍に増えるとみられる。それに対してリストバンド型は、出荷台数こそ5220万台まで増えるが、市場占有率は21.7%に下がると予測されている。
一方の日本市場では、腕時計型もリストバンド型も伸びると予測される。腕時計型は2017年の54万1900台(市場占有率:57.8%)から2021年に71万6700台(同53%)に増え、同じくリストバンド型も2017年の31万5500台(同33.7%)から2021年に46万300台(同34.1%)に拡大すると見込まれる。また、耳掛け型も世界市場とは異なり、2021年に10万5900台(同7.8%)まで拡大するとみられている。ただ、世界市場で拡大すると予測された靴・衣類内蔵型は、日本ではほとんど普及しないとIDCは予測している。
IDC JapanでPC、携帯端末&クライアントソリューションのシニアマーケットアナリストを務める菅原啓氏は、「日本市場では、機能面で優れ、ウェアラブルデバイスと言えば腕時計型との認知もある腕時計型が市場をリードする動向が今後も続く。しかし、世界市場の規模に比して日本市場の規模は圧倒的に小さい状況が続くことが懸念される。今後のさらなる市場の拡大のためには、ユーザーに対するメリットを明確に提示できる商品とソリューションを提供することが肝要になる」と述べている。
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