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【 slabtop 】コマンド――スラブキャッシュ情報をリアルタイムで表示するLinux基本コマンドTips(124)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、スラブキャッシュ情報をリアルタイムで表示する「slabtop」コマンドです。

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 本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、スラブキャッシュ情報をリアルタイムで表示する「slabtop」コマンドです。

slabtopコマンドとは?

 「slabtop」はスラブキャッシュの情報をリアルタイムで表示します。Linuxカーネルは、メモリの利用効率を高めるために、ページサイズ未満のメモリを「SLAB(スラブ)」という仕組みで管理しています(関連記事:Linuxメモリ管理の最先端を探る)。

 slabtopコマンドは、現在スラブキャッシュとしてどのくらいの量が使用されているかをリアルタイムで表示するコマンドです。実行にはroot権限が必要です(sudoコマンドも利用可能)。



slabtopコマンドの書式

# slabtop [オプション]

※[ ]は省略可能な引数を示しています





slabtopの主なオプション

短いオプション 長いオプション 意味
-d 間隔 --delay=間隔 更新する間隔を「ss.tt秒」で指定する(デフォルトは3秒間隔)。Ubuntuの場合はss秒で指定する
-o --once 1回表示して終了する
-s 文字 --sort=文字 並べ替えの基準を指定する

並べ替えで指定できる文字

文字 意味
a アクティブなオブジェクトの数
b スラブごとのオブジェクトの数
c キャッシュサイズ
l スラブの数
n 名前
o オブジェクトの数(デフォルト値)
p スラブごとのページ数
s オブジェクトサイズ
u キャッシュ利用率
v アクティブなスラブの数


スラブキャッシュの情報を表示する

 「slabtop」でスラブキャッシュの情報を表示します。「top」コマンド同様、端末画面全体を使ってリアルタイムで表示します。デフォルトでは3秒ごとに再描画します。スペースを入力するとスクリーンを再描画、「q」を入力すると終了します。

 「slabtop -o」で1回(once)だけ表示して終了します。

コマンド実行例

slabtop画面1

(リアルタイムで表示する、以下、実行にはroot権限が必要)

slabtop -o

(1回表示して終了する)


画面1
画面1 slabtopを実行したところ 実行にはroot権限が必要


並べ順を変更する

 「slabtop -s 文字」で画面表示の並び順を指定できます。例えば「slabtop -s c」とすると、キャッシュサイズ順に表示します。

 slabtop起動後であっても、並べ替えで指定できる文字を入力できます。

コマンド実行例

slabtop -s 文字

slabtop -s c画面2

(キャッシュサイズ順で表示)


画面2
画面2 コマンド実行後に表示順を変えているところ


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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