教えて! キラキラお兄さん「インターンで実績は作れますか?」:プロエンジニアインタビュー(6)(1/4 ページ)
インターンはエンジニアの「虎の穴」なのか――「Gunosy」の共同創業者 関喜史さんに聞いてみた。
「Gunosy」の共同創業者である関喜史さんは、学生時代の長期インターンで力を蓄え、シリコンバレー見学で「何を作ったか」で評価される文化に触れた。
大学院に在学中、3人の同級生と情報キュレーションサービス「グノシー」を開発し、その事業化のためにGunosyを起業した。当時からビジネスと学術研究の両方を追求する姿勢を貫いている、その理由を聞いてみた。
高専から東大へ、インターンで実績を作る
関さんは、富山県で生まれ育った。中学時代にプログラミングと出会い、富山商船高等専門学校(当時、現在は富山高等専門学校)に進学し、情報工学を専攻した。高専出身のエンジニアの活躍ぶりが話題になっているが、関さんもその一人だ。
高専の卒業後は東京大学に編入した。「掲示板の“2ちゃんねる”を見ると『プログラマーは下流』みたいな話ばかり。経営やマネジメントも分かっていないとまずい」と思い、システム創成学科知能社会システムコースを目指した。「英語はぎりぎり、数学は満点近く」で合格する。
学生時代の関さんは、データを元に意思決定をしたり、プロダクトを良くする仕事が面白いと思っていた。企業に入ってからそのような仕事を担当させてもらうには、まず実績が必要だと考え、Web系の企業でインターンをした。
「データが大事だと信じていた。インターンで形に残る成果を出すことを意識していた」
インターン先は、「リクルート」に2カ月、「ディー・エヌ・エー」に4カ月、「サイバーエージェント」に1年弱。午前と午後で別の会社に行っていた時期もあった。
サイバーエージェントでのインターン内容は、人工知能学会で2012年に発表した。リクルートでは、シリコンバレーツアーを商品とするコンテストに参加した。
関さんは「インターンは大事だと思う。それも自分でモノを作る仕事がいい。今もとても役に立っている」と話す。
インターンの経験を通して、大きなサービスのコードをどのように管理するか、そして会社組織がどのように運営されているかを知ることができた。3人で設立した会社であるGunosyは現在約120人の規模まで大きくなった。
学生時代の印象深い経験は、春休みを使って米国シリコンバレーに1週間滞在したことだ。「シリコンバレーでは、エンジニアは何を作ったかで語られる文化がある」。その文化、風土に触れて何を作るかを考えた。ビッグデータや機械学習が注目されていたので、それらを活用したサービスの可能性はあると思っていた。
シリコンバレーに注目した背景には、指導教官だった松尾豊准教授の影響があった。スタンフォード大学を経て東京大学に着任した松尾准教授の専門は人工知能とWeb工学で、ディープラーニングの台頭にいち早く注目した研究者でもあった。グノシー創業の後も、関さんは松尾准教授の下で博士課程を過ごすことになる。
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