人工知能会話アプリが作りやすくなる文章解析サービス「LUIS」を学習させるには:認識系API活用入門(6)(1/3 ページ)
コグニティブサービスのAPIを用いて、「現在のコグニティブサービスでどのようなことができるのか」「どのようにして利用できるのか」「どの程度の精度なのか」を検証していく連載。今回は、LUIS(Language Understanding Intelligent Service)の概要とLUISへアプリケーションを登録する方法、LUISに学習させる方法を紹介する。
※本稿は2017年7月6日の情報を基に作成しています。この記事内で使用している画面やコグニティブサービスの仕様は変更になっている場合があります。
本連載「認識系API活用入門」では、MicrosoftのコグニティブサービスのAPIを用いて、「現在のコグニティブサービスでどのようなことができるのか」「どのようにして利用できるのか」「どの程度の精度なのか」を検証していきます。連載第1回の「Deep Learningの恩恵を手軽に活用できるコグニティブサービスとは」では、コグニティブサービスとは何かの概要とAPIを使うための準備の仕方を説明しました。
今回から2回にわたって、「LUIS(Language Understanding Intelligent Service)」を試します。
LUIS(Language Understanding Intelligent Service)とは
LUISは、入力された文章を解析して文章の意図や、その文章内のポイントとなる単語を返してくれるサービスです。
LUISは他のAPIと異なり、LUIS単体でユーザーの役に立つサービスというわけではありません。チャットbotや音声入力などと組み合わせて、さらに他のWebサービスやAPIなどと連携することで、その真価を発揮します。
また、日本語での説明ではよく「Language Understanding」の部分を訳した「言語理解」という言葉が使われますが、どんな文章を入力しても人間のように理解してくれるわけではなく、「こういう入力がある」という事前の教育が必要になります。
例えば、飛行機のチケットをチャットbotで予約するサービスであれば、意図として「飛行機のチケットの予約」があり、ポイントとなる単語として、「搭乗日時」「搭乗者名」「出発空港」「到着空港」「座席のクラス」といった入力があるという前提の下にLUISを教育しておきます。チャットbotがこれらの情報を取得できるようユーザーに入力を促し、チャットbotは、LUISにユーザーの入力から必要な単語を拾い上げてもらい、全部そろった時点でチケット予約システムに予約のリクエストを投げて予約を完了させる、というように使われます。
LUISでサポートしている言語
LUISで使用できる言語は英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語(ブラジル)、日本語、韓国語、中国語です。
LUISの活用シナリオ
LUISは言語を解析して意図とポイントとなる単語を返してくれるサービスなので、使い方次第でさまざまな活用シナリオが考えられます。
Microsoftのドキュメントでは、飛行機やコンサートのチケット予約、ホテルやレンタカーの予約、天気予報などが使い方の一例として挙げられていますが、その他にも部屋の家電をコントロールするシステムや乗換案内などといったサービスも考えられます。
LUISレファレンスガイド
LUISのレファレンスガイドは下記URLにあります。
LUISの利用申し込み
LUISを使うにはMicrosoft Azure上で利用開始の手続きを行う必要があります。申し込み方法の詳細は本連載の第1回をご確認ください。
API Typeには「Language Understanding Intelligent Service (LUIS) (Preview)」を選択します。価格レベルは無料の「F0 Free」を選択します。「作成」をクリックしデプロイします。
作成するアプリケーションについて
今回作成するアプリケーションは、Microsoft Bot Frameworkと組み合わせてチャットbotです。botに「今日の○○(都道府県)の天気は?」といった質問をすると、Web APIサービスから天気予報を取得してユーザーに予報を返します。
LUISは先ほど説明したように、目的に合わせて教育しなければなりません。そのため、専用のサイトでアプリケーションの登録と、事前のトレーニングを行う必要があります。
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